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米軍、国防費の見直し計画を発表

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米国ゲーツ国防長官は6日、2012年度会計からの5年間において総額約6兆5,000億円にものぼる国防費の見直し計画を発表した。

米軍全体として切り詰め予算の実施をおこなう中、注目が集まるのは無人機(UAV:Unmanned Aerial Vehicles)システムに対する意欲的な姿勢とF-35開発情勢の今後についてとなる。

とりわけ空軍では、無人攻撃機リーパー(Reaper)の調達については一過性の予算からの脱却を図り「基本予算」としての確立を目指す方針が明らかになっており、次世代の位置付けにある無人機への米軍の積極的な姿勢がうかがえる。
また、ELV(Expendable Launch Vehicle:使い捨て型ロケット)の改良や、搭載レーダーの近代化実施などF-15イーグルの運用とその継続についても触れている。

予算の削減を強いられる一方で、長距離における核搭載を可能とする爆弾への積極的な開発を惜しまないことも特筆すべき点である。無人航空機の開発に実績を積んできた米軍は、今後ステルス性をも兼ね揃えた長距離爆撃機としての運用を目指すことになるようだ。

また、日本のF-X選定でも注目の集まるF-35についてゲーツ国防長官はF-35 JSF計画の再構築を言及している。これは空軍と海軍仕様の継続を進める一方で、米海兵隊での導入が予定されているSTOVL(Short Take Off and Vertical Landing:短距離離陸・垂直着陸)タイプについてはテスト段階で重大な問題を抱えていることが報告されていることが起因している。このことは昨年来DoD(Department of Defense:米国防総省)やDAB(Defense Acquisition Board:国防調達委員会)でも議題に上っていたものである。

そして今回のゲーツ国防長官の発表では、海兵隊向けのSTOVL仕様については今後2年間のテスト運用の中で完成が見出せない場合は開発の打ち切りを言及している。

いずれにしても今回発表された計画がそのまま実行されるかどうかは、米議会での承認などの流れがあることからも、方針全体の軌道修正の可能性も含まれている。


参考記事:
http://www.defense.gov//News/NewsArticle.aspx?ID=62351
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110107-OYT1T00589.htm


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