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米国、インド軍を中国への抑止に活用か

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香港サウスチャイナモーニングポストは27日付けの記事で、米国がインド軍への軍事ハイテク技術の解禁を行っていると記載した。

その背景としては、昨年度10.3%とも言われ、驚異的な経済成長をバックボーンに今後も更なる強力な軍事予算を捻出する中国を牽制する材料として、中国と国境を隣接した、もう1つの大国であるインドの取り込みを行いたいという意図がみえる。

米国は中国対策において、インドとの関係の前に、日本、韓国との軍事的ネットワークの構築に余念がない。
27日より、陸上自衛隊と米軍の陸上部隊による日米共同方面隊指揮所演習が本格的に始まった。これまで北朝鮮を中心に想定した共同作戦計画の策定であったものが、今回、中国を対象とした日米制服組のトップ級による初協議となったことに注目が集まる。

そして米国は、こうした日米同盟の深化を進める一方で、次なる布石として、歴史認識の点などで問題を抱える日韓をも巻き込んだ、日米韓の3国による軍事連携の橋渡しを買って出ている。

今回報道された米国によるインドへの禁輸解除措置については、ISRO(Indian Space Research Organisation:インド宇宙研究機関)とDRDO(Defence Research and Development Organisation:(インドの)防衛研究開発機関)を兵器輸出禁止のブラックリストから削除したことが挙げられている。

1月10日には、インド初の国産戦闘機となるTejasが初期運用クリアランスを経て、インド空軍へ納品されている。TejasはMig21の後継機として、80年代中頃にデザイン設計された小型で軽量なLCA(Light Combat Aircraft:軽戦闘機)だ。インド空軍幹部によれば、Tejasは第4世代にも満たないレベルで開発された戦闘機としている。

Tejasの開発においては、98年のインド核実験に対する制裁措置として、米国からの禁輸措置、経済制裁を受けたことが原因で、開発状況が先延ばしとなっていた。Tejasのエンジンには米国GE(ゼネラル・エレクトロニック)社のF404エンジンが搭載されることとなった。GE製F404エンジンは近年の主要な戦闘機に搭載されているベストセラーエンジンといわれ、F/A-18、F-117A、Gripen、T-50といった戦闘機にも搭載されている。

中国の国産ステルス戦闘機として話題をさらった「J-20」が、米軍のステルス戦闘機から技術盗用したとして報道をされたが、こちらも奇しくもTejasと同じエンジンF404を積むF-117だ。報道によれば、F-117 Nighthawkは、99年のコソボ紛争の際に、セルビア上空で地対空ミサイルによって撃墜され、その際に現地住民がその残骸拾得していたのを、中国の工作員が買い集めていたとのことだ。これは、当時のクロアチアの参謀総長がAP通信の取材に対して証言しているので、事実の可能性が高いとされている。


参考記事:
http://www.scmp.com/portal/site/SCMP/menuitem.2c913216495213d5df646910cba0a0a0/?vgnextoid=72259f57db2cd210VgnVCM100000360a0a0aRCRD&vgnextfmt=teaser
http://news.tbs.co.jp/20110126/newseye/tbs_newseye4634876.html
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110128-OYT1T00278.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110124/chn11012410050029-n1.htm
http://en.rian.ru/world/20110110/162090932.html
http://www.geae.com/engines/military/f404/
http://www.geae.com/engines/military/f404/spotlight_f404ucav.html
http://www.geae.com/engines/military/f404/spotlight_f404versatility.html


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