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米陸軍、MAV RQ-16 T-Hawkをアフガンで披露

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米陸軍は1月、アフガニスタンのカンダハール空軍飛行場で、多国籍軍兵士や市民を交えて、開発元のHoneywell International Inc.のエンジニアが見守る中、小型無人機 RQ-16 T-Hawkの性能とその可能性を披露した。

米陸軍、MAV RQ-16 T-Hawkをアフガンで披露米陸軍、MAV RQ-16 T-Hawkをアフガンで披露米陸軍、MAV RQ-16 T-Hawkをアフガンで披露
MAV(Micro Air Vehicle:超小型飛行機)にカテゴライズされるRQ-16は、「オオベッコウバチ」を意味するT-Hawk(Tarantula Hawk:タランチュラ・ホーク)と名付けられ、現在、EOD(Explosive Ordnance Disposal:爆発物処理)での任務を中心に活用されている。

MAV計画はDARPA(Defense Advanced Research Projects Agency:米国防総省国防高等研究事業局)により推し進められ、その後、米陸軍や米海軍を中心に普及がおこなわれている。RQ-16は、自律したVTOL(Vertical Takeoff and Landing:垂直離着陸)システムによって、持ち運びに有利なよう、可能な限りの小型・軽量化がなされており、空挺による潜入諜報活動など(ISR=Intelligence, Surveillance, and Reconnaissance)での活用も期待されている。

T-Hawkは運用時において、9Kg未満に抑えた重量で、時速64Kmの速度での飛行を可能としている。また、DARPAによると、T-Hawkでは前方と下方へ向けられた2つの特徴的なセンサーを搭載しているとしており、それらの取り替え作業も容易となっている。こうしたT-Hawkの特性を活かして、偵察任務での運用をおこない、高い情報収集能力を如何なく発揮する可能性を秘めているとして注目されている。

小型の無人機といえば、昨年11月に開催された「防衛技術シンポジウム2010」で防衛省技術研究本部の先進技術推進センターが披露した、世界初となる未来型の球形飛行物体は、空でも陸でも自由自在に移動が出来る無人機として、バラエティー番組などでも放映され、話題となったことが記憶に新しい。
米陸軍、MAV RQ-16 T-Hawkをアフガンで披露
謎の偵察飛行物体 防衛技術シンポジウム2010
【ニコニコ動画】防衛技術シンポジウム2010 「まるい未来型飛行物体」飛行デモ

外形を球形で囲むことや、空中と接地中での姿勢制御に共通性を持たせることによって、従来の飛行機では不可能とされたあらゆる姿勢での着陸や、着陸時での回転運動、そして自力による再離陸、ホバリング中での障害物との接触など、この不思議な感覚の行動能力には、未来への新たな可能性を感じる。
なお、先進技術推進センターによると、こうした特長的な仕組みを取り込み、現在10項目においては既に特許出願済としている。

可視カメラを搭載した試作機では、直径42cm、重量350gとなっており、時速60Km程度での飛行速度が推測されている。先進技術推進センターによると、自律機能を含めた遠隔操縦や、耐環境性能の向上、実用レベルでの取得コストの考察など、実用化への課題は残されているとしているが、偵察任務などでの運用実現に期待せずにいられない。


参考記事:
http://www.army.mil/-news/2011/01/20/50584-uavs-keep-eyes-on-troops/
http://www.darpa.mil/Docs/armyaviation.pdf
http://www.mod.go.jp/trdi/research/dts2010.files/S2/S2-1.pdf
http://www.mod.go.jp/trdi/research/youshi2010_oral1.pdf


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