Mi-10 クレーン・ヘリコプター、量産開始から今年で 50 周年
ロシアの国営企業ロステフ社は、Mi-10 ヘリコプターの量産開始から今年で 50 周年を迎えたことを記念した特集ページを公開した。
ソ連政府は 1958 年に、12,000 kg の物資を搭載して 250 km の距離を飛行できること、また 15,000 kg の物資を運べることも目指したクレーン・ヘリコプターの開発を指示した。その背景には、軍からの巡航ミサイルや弾道ミサイルを運びたいという要求があったとされる。M・L・ミーリ記念モスクワ・ヘリコプター工場はそれに応え、Mi-10 を設計した。
Mi-10 は、同工場が以前に開発した Mi-6 から、エンジンやメイン・ローター、テイル・ローター、トランスミッション、油圧制御システムなど多くの部品が流用されている。そして、がに股のような4本の長いランデイング・ギアを持ち、胴体の下に吊り下げる形で、工場の燃料タンクや各種コンテナなど、大きく重い、特殊な物資を運ぶことができる。
Mi-10 は 1960 年 6 月 15 日に初飛行し、1964 年から量産が始まった。しかし、奇抜な形状のため飛行性能は悪く、またコクピット位置が高いため操縦性も悪く、それを補うために搭載されたテレビ・カメラのシステムもあまり役に立たなかったという。そして軍はミサイルの輸送に Mi-10 を使わないことを決め、1969 年には生産が打ち切られた。生産数は 24 機であった。だが、その後 1974 年になって、民間向けに改良されたバージョンの生産が始まり、現在までに Mi-10 シリーズの総生産数は 55 機ほどとのことだ。
また Mi-10 は 8 つの世界記録を保持している。1961 年には 15,000 kg の物資を搭載して高度 2,326 m まで上昇するという世界記録を作り、また同じ年には高度 2,000 m まで 15,103 kg の物資を持ち上げる世界記録も作った。この記録は後に、Mi-10 自身によって塗り替えられ、1965 年に Mi-10R が 15,000 kg の物資を搭載して高度 2,840 m まで上昇、また高度 2,000 m まで 25,105 kg の物資を持ち上げている。
現在では多くの機体が引退しているが、ロシアの航空会社 UT エアーでは Mi-10K が現役であるとされる。
Rostec
Text : 鳥嶋真也 - FM201409
ソ連政府は 1958 年に、12,000 kg の物資を搭載して 250 km の距離を飛行できること、また 15,000 kg の物資を運べることも目指したクレーン・ヘリコプターの開発を指示した。その背景には、軍からの巡航ミサイルや弾道ミサイルを運びたいという要求があったとされる。M・L・ミーリ記念モスクワ・ヘリコプター工場はそれに応え、Mi-10 を設計した。
Mi-10 は、同工場が以前に開発した Mi-6 から、エンジンやメイン・ローター、テイル・ローター、トランスミッション、油圧制御システムなど多くの部品が流用されている。そして、がに股のような4本の長いランデイング・ギアを持ち、胴体の下に吊り下げる形で、工場の燃料タンクや各種コンテナなど、大きく重い、特殊な物資を運ぶことができる。
Mi-10 は 1960 年 6 月 15 日に初飛行し、1964 年から量産が始まった。しかし、奇抜な形状のため飛行性能は悪く、またコクピット位置が高いため操縦性も悪く、それを補うために搭載されたテレビ・カメラのシステムもあまり役に立たなかったという。そして軍はミサイルの輸送に Mi-10 を使わないことを決め、1969 年には生産が打ち切られた。生産数は 24 機であった。だが、その後 1974 年になって、民間向けに改良されたバージョンの生産が始まり、現在までに Mi-10 シリーズの総生産数は 55 機ほどとのことだ。
また Mi-10 は 8 つの世界記録を保持している。1961 年には 15,000 kg の物資を搭載して高度 2,326 m まで上昇するという世界記録を作り、また同じ年には高度 2,000 m まで 15,103 kg の物資を持ち上げる世界記録も作った。この記録は後に、Mi-10 自身によって塗り替えられ、1965 年に Mi-10R が 15,000 kg の物資を搭載して高度 2,840 m まで上昇、また高度 2,000 m まで 25,105 kg の物資を持ち上げている。
現在では多くの機体が引退しているが、ロシアの航空会社 UT エアーでは Mi-10K が現役であるとされる。
Rostec
Text : 鳥嶋真也 - FM201409
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