無人攻撃機パイロットの苦悩を描くスリラー映画、イーサン・ホーク主演『Good Kill』

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無人攻撃機パイロットの苦悩を描くスリラー映画、イーサン・ホーク主演『Good Kill』
無人攻撃機:UCAV(Unmanned Combat Aerial Vehicle)パイロットの苦悩を描いたスリラー映画『Good Kill』のインターナショナル・トレーラーが公開された。
元海軍パイロットのトーマスは、ラスベガスの空軍基地で無人攻撃機:UCAVパイロットとして一日の12時間を遠隔操作でタリバンと戦い、残りの12時間を愛する家族と共に過ごすという日常を送っていた。我が身の危険を感じることが無い安全な任務ではあったが、戦闘行為と平穏な日常と云う相反する現実世界に翻弄され、やがてPTSD(心的外傷後ストレス障害)を患いテロリスト排除の任務に疑問を感じ始める――。

近代戦争の代名詞の一つとも云える無人攻撃機:UCAVであるが、航空機を無人化することでパイロットの人命リスクの回避と作業要員の効率化などのメリットがある反面、無人機による戦闘行為というモラル面の問題や、誤爆・巻き添えによる非戦闘員への被害などといった多くの課題がある。2007年より、ヒューマンエラーを出来る限り未然に防ぐために、最終攻撃判断を専任オペレーターが行う"man-in-the-loop"形式が採用され、着弾被害を抑えるために精度が高い小型ミサイルに変更するなど幾つかの対策がとられて来たが、未だに犠牲者は後を絶たず誤爆・巻き添え問題は解消されていない。
また、UCAVパイロットの精神的問題として、モニタ画面に鮮明に映し出される攻撃現場や殺傷の様子は相当なストレスを与えるとの報告もあり、実際に戦地に赴いた兵士よりもUCAVパイロットの方がPTSDの発症率が高いというデータもあるようだ。

監督・脚本は、ニュージーランド出身のアンドリュー・ニコル(Andrew Niccol)。過去には、ニコラス・ケイジが武器商人ユーリを演じた『ロード・オブ・ウォー』やアル・パチーノ主演のSF映画『シモーヌ』などを手掛けている。
撮影監督は、大ベテランのアミール・モクリ(Amir Mokri)。『マン・オブ・スティール』『トランスフォーマー/ロストエイジ』『バッドボーイズ2バッド』など数々の大作に関わっている。『ロード・オブ・ウォー』でも撮影監督を務めている。

主人公のトーマス役には、『アサルト13 要塞警察』や『トレーニング デイ』のイーサン・ホーク(Ethan Hawke)。アンドリュー監督のデビュー作『ガタカ』では主演を務め、『ロード・オブ・ウォー』にも出演している。
共演は、トーマスの上官:ジャック役にブルース・グリーンウッド(Bruce Greenwood)。新生『スター・トレック』シリーズでパイク船長を演じている。トーマスの妻:モリー役には、『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』でホワイト・クイーン役を務めたジャニュアリー・クリステン・ジョーンズ(January Jones)。同僚の女性パイロット:スアレス役は、『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』エンジェル・サルバドーレ役を務めたゾーイ・クラヴィッツ(Zoe Kravitz)。今年公開の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にも出演している。

無人攻撃機:UCAVのはらむ様々な問題点をテーマにし、独創的な脚本を得意とするアンドリュー監督がどのように描き出すのか注目の作品である。

2015年4月10日イギリス公開。日本での公開は現在未定である。

Voltage Pictures 2015/01/06
Text: 弓削島一樹 - FM201501

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