ウガンダ初のアクション映画「Who Killed Captain Alex?」

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東アフリカ内陸部に位置するウガンダ共和国の映画監督:Nabwana I.G.G.が、2010年に製作費約200ドルで手掛けたウガンダ初となるアクション映画『 Who Killed Captain Alex? 』を Youtube で公開中である。

超荒削りで大胆な“構成・演出・特殊視覚効果”に度肝を抜かれる本作であるが、ついつい続きを観てしまう不思議な魅力を持っている。
物語は ――
マフィアの取引現場に奇襲したコマンド部隊であったが、辛くもボスを取り逃がす。激怒したボスは部隊の宿営地に女スパイを送りこみ、隊長の殺害に成功する。隊長を失った隊員達は、悲しみに暮れながらも結束を固め、再び奇襲作戦を計画する。しかし、その計画内容は内通者によってマフィアへ筒抜けであり、コマンド部隊の攻撃に対して備えを進めていた。更にボスは、空軍の戦闘ヘリを奪取し街を破壊するように命じる…。
本作の特徴は、活弁士の様な超個性的なナレーションが終始続くことである。シーン毎の雰囲気はお構い無しに、自由奔放な“合いの手”を入れるスタイルだ。兵士が登場する度に「コマンド!」と叫び、「もうすぐアクションが始まるよ~!」という前フリや、随所で役者にツッコミを入れる、等など。

また、木製の銃器と弾丸ベルト、身体能力が高すぎる格闘アクション、キレたら直ぐに部下を撃つボス、平面的な戦闘ヘリ、ド派手な血糊効果、妙にリアルなコマンド隊員、など見所満載である。

200ドルにも満たない製作費の背景には、長く続いた内戦やエボラウイルス問題、政治不安による貧困とインフラの未整備などといったウガンダのお国事情がある。決して豊かではない環境でありながら、スラム街の監督宅でジャンクパソコンを駆使して本作を製作したことは驚愕に値する。

今年3月には、次回作の製作資金調達を目的としたキャンペーンを海外のクラウドファンディングサービス: Kickstarter で行い、目標金額160ドルを優に越える13,181ドルを達成し終了した。これによって得た資金は、戦闘ヘリ実寸セットの製作や機材調達に充てられ、HDクオリティーの映像製作に臨むとのこと。さらに資金の一部は、エボラウイルス対策機関に提供されるようだ。

なかなかシビアなクラウドファンディングサービスにおいて、374人もの出資者を集めたことは大変なことである。監督らの映画製作に掛ける情熱が伝わったのであろう。ウガンダで唯一のアクション映画監督:Nabwana I.G.G.( Wakaliwood )の今後の活躍に期待したい。

Text: 弓削島一樹 - FM201505

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