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各国の PMC 要員が門戸を叩く、ポーランドの民間訓練施設「ESA」

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アメリカのニュースサイト:Business Insider に、AFP通信の記者によるポーランドの ESA ( European Security Academy ) の取材レポートが掲載された。
各国の PMC 要員が門戸を叩く、ポーランドの民間訓練施設「ESA」
ESA は、危険地帯での任務に当たる世界中のセキュリティ及び軍事請負業者を対象とした訓練施設。ポーランドの片田舎にある森と湖に囲まれた100ヘクタールの敷地では、ボディーガード、海上保安官、PMSC ( private military and security company )、PMC ( private military company ) でのコントラクター従事を目指す者や、現役セキュリティエージェントたちが日々訓練に励んでいる。
ESA を利用しているイギリスのセキュリティ会社:UCP Security Operationのクリス・ワッツ ( Criss Watts )社長は、訓練に適した理想的な場所を世界中で探した結果、ポーランドのこの施設に辿り着いたと語る。これは、実弾を用いた訓練がイギリスでは困難なことが背景にある。M4、AK47、グロックなどを用いた射撃訓練の他に、ソマリアの首都モガディシュにある建物のフルスケールレプリカでのCQB 訓練では、安全性を考慮し Simunition 社の FXマーキングカートリッジを使用している。尚、訓練を行っていたのは UCP 所属のイギリス人、コロンビア人、イタリア人、スペイン人で構成されてチームとのこと。

また、350メートルのロングレンジ対応の射撃場では、ESA専属イストラクターと元ポーランド特殊部隊オペレーターが別グループを指導しており、スリーマンセルで車両の間を移動しながらの射撃訓練が行われていた。同インストラクターは「現在、政府との契約にあるサウジアラビア、バングラデシュ、オマーン​​からの依頼でセキュリティエージェントの訓練を行っているが、我々は世界中の国から研修生を受け入れる準備がある。ライセンス取得後には、然るべきセキュリティ機関などに仕事を斡旋することが出来る。」と語った。

TCCC ( Tactical Combat Casualty Care ) 訓練の様子
近年、各国が頭を悩ませている“海賊問題”に焦点を当てた船舶を利用した訓練プログラムには、世界各国から多くの研修生が訪れており、訓練後にはソマリア海賊によるハイジャックに対して抑制支援するという実績をあげている。取材日には、ポーランドのバルト港に停泊する船を利用して、ブラジル、コロンビア、クロアチア、ドイツ、ガーナ、ポーランド、ポルトガル、南アフリカ、スペインの9カ国の研修生26名が海上保安官育成プログラムを受講していたとのこと。尚、海洋安全保障ライセンスの取得を目的としたこのプログラムの受講料は、約2,250ドルである。

ESA では目的に応じて10種類のコースが設定されている。
1. Hotel and leisure facilities with catering service
2. Lecture rooms
3. Enclosed tactical firing range
4. Full-size open firing range
5. Tactical lane
6. Tactical firing range - kill house
7. Specialist assault course
8. First aid (pre-medical) training facilities
9. Life guard and diving center
10. Off-road course and quad riding field



Business Insider 2015/05/21
Text: 弓削島一樹 - FM201506

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