米陸軍での「ホバーバイク」の実用化に向けた企業の戦略提携が発表
空中を移動する乗り物である「ホバーバイク (hoverbike) 」が、軍での実用化を目指して開発が進む動きにある。
これは、パリ国際航空ショー (6/15 ~ 21) の席で、米メリーランド州副知事の Boyd Rutherford 氏が、同州ベルキャンプの SURVICE Engineering Co., と、英国の Malloy Aeronautics との間で、ホバーバイクの技術開発に関する提携を発表したことによるもの。
米国防総省向けにホバーバイクの開発をおこなうことが目的となっており、今後は米陸軍研究所 (ARL: Army Research Laboratory) とホバーバイクの実用化を目指すと言う。なお、今回の戦略提携に従い、Malloy Aeronautics 社がメリーランド州にオフィスを開設することも併せて発表されている。
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SURVICE Engineering 社は、400 名程の従業員を抱えるエンジニアリング専門の企業。30 年以上に渡って米国防総省向けの研究開発支援を手掛けている。一方の Malloy Aeronautics 社は、2012 年に創設された企業家精神あふれる新進気鋭の航空宇宙企業。ドローンの販売や、軍・民両方に向けたホバーバイク技術の開発で知られている。Malloy 社は昨年、クラウドファンディング上で資金調達を求めたキャンペーンを展開させている。
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米陸軍でのホバーバイクの実用化を目指した取り組みは 1950 年代からあり、今回が初めてでは無いが、映画やアニメの世界で描かれていたこのサイエンスフィクション技術が現実のものとなって登場することは、何とも夢のある話題に他ならない。
Maryland.gov 2015/06/16
SURVICE Engineering 2015/06/16
Popular Science 2015/06/23
Kickstarter 2014/07/22
Malloy 社のプロトタイプは、機体の中央にオペレーターが座り、前後 2 箇所にあるローターにより揚力と推力を生み出すバイコプター (Bi-Copter) 。テスト飛行では人を 1 人運ぶに足りる 100 キログラムの浮力を発揮したとのこと。同社によれば、ホバーバイクは一般的なヘリコプター以上に、飛行・走行時における安全面など、多くのアドバンテージを持っているとのこと。また、調達コストやランニングコストにおいても安価で提供できるとしている。
荒地での走破能力の高さにおいて、バイクは目を見張る能力を持っているが、ホバーバイクではそもそも地面の状態に関係なく移動できる点に分がある。またヘリコプターのような大掛かりな機体ではない為、移動時の騒音も低減でき、小回りも利きくことから戦術用偵察車両 (TRV: Tactical Reconnaissance Vehicle) としての利用が見込まれる。また、米国防総省では物資運搬などの物流面でも利用できると目論むほか、有人・無人両面での運用にも期待を寄せている。
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