「バイオハザード アンブレラコア」実写版トレーラー制作の裏側

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新作ゲームソフト『バイオハザード アンブレラコア』のゲームコンセプトを、ゲームキャラに成り代わって生身の人間がタクティカルアクションを演じた実写トレーラーは如何だっただろうか?そもそも、ゲームの3Dモデリングは装備品を纏った人間をベースにしているわけだから、逆輸入的なニュアンスが強いかもしれない。

実写トレーラーの撮影は、現在「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」で11月8日(日)まで開催中の大人気アトラクション「バイオハザード・ザ・リアル 3」で行われた。ゲーム本編を彷彿とさせるラクーンシティ中央病院や実験室など、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが誇る世界最高クオリティで作りこまれたアトラクション内は、タクティカル要素の強いゲームの特徴を活かすにはこの上ない環境であった。

トレーラーのプロットを考える段階で、物語を見せる“シナリオパターン”か、アクションだけを見せる“イメージパターン”でいくかを迷ったが、ストーリー性がある方が感情移入しやすいと判断し、シナリオパターンで行くことに決定した。

その後『バイオハザード アンブレラコア』のBGMから展開がドラマティックな楽曲を選定し、曲の長さに合わせた約2分間のプロットを構築。各チーム3人編成の“PMCチーム”と“スペシャルフォースチーム(以下、SFチーム)”分けて敵対させることにした。


マルチカムユニフォームのPMCチーム



ブラックを基調としたユニフォームのSFチーム


SFチームの装備は『バイオハザード アンブレラコア』のビジュアルイメージをモチーフにしており、本来であれば主人公側で描くところを敢えて敵側に設定しいる。これは、PMCチームがベテランの兵士で構成されているのに対し、SFチームはテクニックはあるが“封鎖地区”に初めて訪れたというアイディアに基づいている。

ベテランチームの風格を表すのには迷彩柄が良い判断し、チームリーダーは腕まくりをしてワイルドさを強調してみた。引き締まったイメージの黒を纏うSFチームにはヒール感と精巧感をイメージした。また、フィールドを知り尽くし特殊な環境での実戦経験が豊富なPMCチームに対し、テクニックを自負し血気盛んなSFチームという対比も含まれている。

そして、ゲーム本編では女性兵士の設定は存在しないが、女性ゲームユーザーを意識して登場させてみた。演じているのは“みりどる乙夜さん”である。

オープニングのタイプライターシーンは「バイオハザード」シリーズ第1作目のオマージュである。アイテムボックスの代わりにロッカーを用いた。セーブ&ロードを終えた後、装備を整えて封鎖地区に乗り込み、SFチームに鉢合わせる流れである。

映像の冒頭では先手を取ったSFチームであったが、PMCチームを追い詰めているはずが土地勘のある彼らの待ち伏せをうけ、動揺するうちに戦力を削がれていく展開となっている。

孤軍奮闘するSFチームのリーダーであったが、結果はご覧の通りである。PMCチームのリーダーが最後のトドメを刺したあとのポーズは、某有名映画のラストシーンを模している。そして、新たな敵の気配を感じたPMCチームは散開しながら消えていく…戦いは終わらない、といった構成になっている。



ゾンビバイル、ベイトガード、ゾンビアイゼンといった近接格闘用装備は登場しないが、ゾンビジャマーを模した“ガイガーリグ・タクティカル・ガーディアン”を各兵士の背面に装備している。

ゾンビジャマーの効果を表す演出として、2シーンだけ徘徊するゾンビを登場させている。ゾンビジャマーを破壊する演出も考えてはみたが、映像の尺を考慮し断念した。近接格闘用装備を登場させなかった理由としては、ゲームでの重要なスキル「アナログカバー」に着眼し、ガンアクションを中心に構成したかったからである。



シナリオ構成作業と同時並行で、ゲーム本編で装備品の監修&協力を行っている AGGRESSOR GROUP と VOLK TACTICAL GEAR の指導のもとで、各キャラクター作りが行われた。試行錯誤を繰り返して本番の装備に落ち着いたのは撮影の当日であった。これだけ贅沢な装備品を2チーム分揃えるのは大変なことである。

プレートキャリアや腰周りなど各オペレーターが身に着けている装備品は、AGGRESSOR GROUP、VOLK TACTICAL GEAR の製品を中心にコーディネート。


プライマリウエポンはM4とMP7。ハンドガンはグロック

撮影に向けてロケハンは行っていたが、ロケーションが特殊なため演者による事前リハーサルは行わず、カメラや照明の位置決めも含めて全てをブッツケ本番で敢行した。限られた時間内で撮影をスムーズに進めるために、撮影担当の正井氏とはロケハン写真と場内見取り図を基に、カメラアングルや照明位置、演者の動線などを入念に打合せを行った。

しかし、机上と現場とのギャップは当然のように待ち受けており、ロケ終了までの間は瞬時の判断を強いられ続けた。カメラと照明のセッティングと同時進行で、演者に対しシーン毎に3分ほどの動きの説明の後に2~3回リハーサルを経て、本番を何テイクか撮る…その繰り返しであった。

ちなみに、実写トレーラーは全73カットで構成されており、撮影時間は約8時間である。

この様なハイスピードで撮影出来たのは、演者に演じてもらうのではなく“素の動作”を切り取る撮影スタイルで行ったからである。また、台詞を廃したことは、NGテイクを減らす狙いがあったからだ。

カメラアングルには拘りがあり、何処から何処へ動くと“それらしく撮れるか”は織り込み済みである。ある程度の約束事を決め、あとは普段通りのアクションを行ってもらう。勿論、所作が出来ている前提であるから、その点は安心して撮影に臨むことができたわけだ。

SFチームの廊下移動シーンやラストシーンなどのスポットライトは全てシュアファイアーを使用している。光量調整が出来るタイプだったため重宝した。また、照明機材を2台持ち込んではいたが実際に使用したのは1台だけで、施設の雰囲気を活かす為に間接照明程度に留めている。

映像編集スタジオでマズルフラッシュなどの特殊効果を施している様子。この作業によって映像のディテール感が増した。

「バイオハザード」シリーズ第1作目からのファンである私にとって、まさに夢の様な企画であった。今は無事に完成したことに安堵している。企画が立ち上がった段階では、ゴールが見えず全てが手探り状態であったことが今では懐かしく思える。

この実写トレーラー企画は、数多くの方の協力を得て実現したものであり、この場を借りて関係者の皆様に心から感謝致します。
バイオファンの方々に喜んでいただけたら幸いです。

Text:
『バイオハザード アンブレラコア』実写トレーラー監督:弓削島一樹


実写トレーラー製作スタッフ
Director : Yugeshima Itsuki( BLACK LINGA PICTURES )
Cinema Photography : Masai Keisuke( BLACK LINGA PICTURES )
Edit : Masai Keisuke
1st Assistant Camera : Yugeshima Itsuki
2nd Assistant Camera : Syogawa Takanari( TARANTULA )

SpecialThanks:
AGGRESSOR GROUP / Sato Ryouichi
VOLK TACTICAL GEAR / Takahashi Tomoyuki
田村装備開発 / ITSUYA
COMBATZONE KYOTO / Nishioka Yudai
RETRASH / Kawakami Hiromi

GEIGERRIG
SUREFIRE
TRU-SPEC Japan

撮影地協力:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン®
制作協力:ミリタリーブログ


バイオハザード アンブレラコア
■対応ハード:PlayStation®4 / PC
■発売予定日:2016年初頭
■販売価格:未定
■ジャンル:コンペティティブシューター
■CEROレーティング:審査予定
※本作はオンラインプレイ専用商品です。お楽しみいただくにはネットワーク環境、並びにハードメーカーが提供するオンライン環境サービスへの登録が必要となります。
(c)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

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