ノースロップ・グラマン、並外れた「発電能力」に特徴を持つ新型偵察車両「ヘルハウンド」を発表
ノースロップ・グラマン社は、6人乗りヘルハウンド偵察車のプロトタイプをアメリカ陸軍展示協会(Association of the United States Army・・・AUSA)で発表した。
開発リーダーのパット・マレーによると、この特殊車両は、陸軍の戦闘車両近代化戦略の一環で開発され、非常に過酷な環境でも十分な性能を発揮するように設計されたという。主に地上部隊の偵察部隊、国境警察、災害初期対応組織など、すばやい行動が求められる部隊に配備される予定だという。
しかし、この車両が注目される理由は悪路での走破性やIEDに対する耐久性などではない。ヘルハウンドの最大の特徴は、並外れた発電能力である。
開発リーダーのパット・マレーによると、この特殊車両は、陸軍の戦闘車両近代化戦略の一環で開発され、非常に過酷な環境でも十分な性能を発揮するように設計されたという。主に地上部隊の偵察部隊、国境警察、災害初期対応組織など、すばやい行動が求められる部隊に配備される予定だという。
「ヘルハウンドは、陸軍の戦闘車両が持つ課題に正面から取り組み、オフロードでの走行性能はもちろんのこと、スピード、防御力など最大限の効果を持つように設計されました」。前述のパット・マレーは語る。
しかし、この車両が注目される理由は悪路での走破性やIEDに対する耐久性などではない。ヘルハウンドの最大の特徴は、並外れた発電能力である。
現在の戦闘は、少数の特殊部隊による短期的作戦が圧倒的に多い。このような作戦では、作戦エリアに十分な規模の司令部が設けられることは少ない。その一方で、司令部には大出力の無線やレーダー、センサーなどが装備され、特殊部隊の兵士にもナイトビジョンやレーザーサイトなど、電気を消費する機器があふれている。
特殊作戦が小規模で遂行できるようになった背景には、上記のような電子機器の拡充がある。しかし、これらの電子機器を円滑に運用するためには大電力が必要で、特殊部隊が活動するような極地でこの電力をどのように確保するかが問題となっている。電力問題に関しては、現行の車両の発電システムは、要求をまったく満たしていない。
この圧倒的な電力供給能力により、偵察に必要なさまざまなレーダー、無線、センサーなどを稼動することができる。また重量が軽いため、大型ヘリコプターでも輸送することができ、空挺部隊と共に輸送することで、着地地点に即座に空挺部隊の司令部を設営することも可能である。
直近では、生活インフラが途絶された災害現場に投入することで、災害対策本部がすぐに立ち上がり、多くの人命を救うことができるだろう。
Northrop Grumman 2015/10/13
Text: 友清仁 - FM201511
特殊作戦が小規模で遂行できるようになった背景には、上記のような電子機器の拡充がある。しかし、これらの電子機器を円滑に運用するためには大電力が必要で、特殊部隊が活動するような極地でこの電力をどのように確保するかが問題となっている。電力問題に関しては、現行の車両の発電システムは、要求をまったく満たしていない。
ヘルハウンドには、ドイツ企業ジェノピティック社(JENOPTIK)のモジュラー・エネルギーシステムが搭載され、外部に100キロワットの電力を供給することができる。驚くべきことだが、30トンのブラッドレー兵員輸送車でさえ、発電できる電力は30キロワット程度である。それに対してヘルハウンドは、わずか6.5トンの重量で100キロワットの電力を発電できるのだ。
この圧倒的な電力供給能力により、偵察に必要なさまざまなレーダー、無線、センサーなどを稼動することができる。また重量が軽いため、大型ヘリコプターでも輸送することができ、空挺部隊と共に輸送することで、着地地点に即座に空挺部隊の司令部を設営することも可能である。
直近では、生活インフラが途絶された災害現場に投入することで、災害対策本部がすぐに立ち上がり、多くの人命を救うことができるだろう。
Northrop Grumman 2015/10/13
Text: 友清仁 - FM201511
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