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元 CIA 情報将校の原作、イラク侵攻時の混沌期を描くコミック「THE SHERIFF OF BABYLON」

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元 CIA 情報将校が原作を手掛けた、イラク・バグダットのグリーンゾーンを舞台に民間軍事会社オペレーターを主人公に据えたミニシリーズコミック『ザ・シェリフ・オブ・バビロン (THE SHERIFF OF BABYLON) 』が、アメリカで12月2日にリリースされた。

出版社は、バットマンやスーパーマンなどで有名な DC COMICS の傘下にあたる ヴァーティゴ(VERTIGO)である。同社はホラーやファンタジー作品を中心にリリースしているが、その内容は犯罪 / 社会風刺 / 投機的なフィクション / 伝記を扱ったものが多い。

物語は ―― 2003年、イラクのバグダットへ民間軍事会社から派遣された元米フロリダ州警察官のクリス・ヘンリーは、イラクの新しい警察隊を訓練する使命を帯びていた。彼が担当した訓練生が殺害されたことを切っ掛けに、地元警察官ナシアに捜査協力することを強制される。やがて、スンニ派の女性司令官ソフィアと出会う。彼女はアメリカで長年教育を受け、裏社会を支配するために帰ってきたイラク人であった…。 ―― “2003イラク侵攻(2003 invasion of Iraq)”後の混沌としたバグダットで繰り広げられるクライムストーリーとなっている。
原作者のトム・キング(Tom King)は現在コミック原作者として活躍しているが、コロンビア大学に在学時代には DC COMICS のインターンとして働き、アメリカ同時多発テロ事件の頃の7年間を CIA テロ対策ユニットの情報将校として務め、CIA 退職後に米コミック業界へ舞い戻って来たという異色の経歴を持っている。本作の他に、DC COMICS の「The Omega Men」や「Grayson」などの原作を手掛けている。

本作は回顧録では無いとしながらも、CIA情報将校という特異な立場だった事と当時バグダットへ赴いて得た経験を基に、今も正常化への道が見えないイラクの側面を描こうとしているようだ。

作画を担当するのは、ミッチ・ジェラード(Mitch Gerads)。幾度も実写映画化されている マーベルコミック(Marvel Comics)の「The Punisher:パニッシャー」や、「The Activity」「Planet of the Apes」などが代表作である。

Vertigo Comics Social 2015/12/02
Text: 弓削島一樹 - FM201512

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