19世紀に作られた世界最小の「指輪型ピストル」が約88万円で落札
技術が進歩すると、思いもつかなかったようなものが作られブームになることがある。この「指輪型ピストル」もその一つ。
「Le Petit Protector(小さな守護者)」と名付けられたこの指輪型ピストルは19世紀初頭の産業革命のさなか、フランスで生まれたもの。直径わずか4mmの鉛の弾を黒色火薬で撃ち出すが、殺傷能力はブリキ缶の片面を撃ちぬける程度で護身用火器と言うよりも奇抜なアクセサリーとして買われたのだろう。これを使用して誰かを殺傷した公的な記録はない。その後より高性能な小型ピストルに取ってかわられ、現在では好事家のコレクションの対象として珍重されている。今回オランダのオークション「Catawiki」に出品されたものも、予想の4倍以上となる6947ユーロ(約88万円)で落札された。
「Le Petit Protector」の文字。
銃としての構造はリボルバーに似ているが、全体的な高さを抑えるため横に飛び出た撃針を叩くメカになっている。再装填は真ん中のネジを外して行う。Le Petit Protectorは6連発だが、その後5発や7発のコピー品が作られている。中には「5つのエース」「5つの死」など装弾数にちなんだ名前をつけられたものもある。
上部のフタのようなものが撃鉄。下に飛び出た板状のパーツがトリガーとなる。
発火用ピンが横に飛び出したピンファイア・カートリッジ。この年代の小型銃ではよく使われたもののようで、現在もごく少量ながらハンドメイドで作られ販売されている。
Dyson LePetit Protector Ring Pistol - YouTubeなお、今回は出品されていないが、口径を2mmと小さくした「Femme Fatal(魔性の女)」と呼ばれるモデルもあり「ペアリング」として一緒に売られるということもあったようだ。
希少な銃は文化的遺産であり、世代を超えてコレクターの間を渡り歩く。この銃もまた何年かしたら、こうしてオークションに登場するのではないだろうか。
Source and Images: Een ingesloten "Le petit Protector" Ring Revolver - Catawiki
The Petit Protector Ring Guns: The ultimate ring pops - Guns.com
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201604
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。
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