イギリス陸軍の新型機関砲
新型40mmケースド・テレスコープド・キャノンシステム(Cased Telescoped Cannon System)は、イギリス陸軍エージャックス(Ajax)およびウォリアー(写真)装甲車に搭載される。イギリス軍は、過去50 年間で初めて完全な機関砲システムの装備を完了した。新型システムの名称は、40mmケースド・テレスコープド・キャノンシステム(Cased Telescoped Cannon System)であり、フランスの兵器メーカーであるCTA インターナショナル社が開発した省スペース機関砲である。
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CTA インターナショナル
ネクスター社とBEA システムズが共同出資した、兵器開発を行うベンチャー企業。CTAI 社はフランス・ブールジュに拠点があり、ケースド・テレスコープド・キャノンおよびその弾を製造している。会社名は、ケース・テレスコープド弾(Case Telescoped Ammunition)の略である。
BEA システムズによると、初回納入分の515 基は、イギリス陸軍の装甲車ウォリアーおよびエージャックスに搭載される予定だという。新システムは、1990 年代から開発され、広範囲な試験が行われているのだが、この新型40mm 機関砲の最大の特徴は、ケースド・テレスコープド弾(Cased Telescoped ammunition)である。これは、従来の先端が尖っていて、火薬が缶に詰め込まれている「弾丸型」の弾を使用する代わりに、弾頭がまっすぐなチューブに完全に収まっている特殊なものである。BEA システムズによると、この弾の形状により、従来の30mm 弾の4 倍もの威力を持つことができるという。
機関砲そのものに関しては、新型装填システムが採用され、弾が90 度の角度で装填されて薬室で回転して発火位置へ収まるようになっている。装填された新型弾は、空薬莢を車外に排出されるため、車内の省スペース化に貢献している。新型40mm砲は、現行の30mm砲と交換されるため、携行弾数の増加と搭乗員の居住性が向上すると思われる。
「この次世代機関砲は、英仏の緊密な協力によって開発され、イギリス軍だけでなくNATO 軍の戦力増強に役立っている」。「初回納入分は1780 億ポンドとなるが、間違いなくイギリスのエージャックスの戦闘力を増強させるものである」。国防調達責任者のフィリップ・ダンは語る。
Text: 友清仁 - FM201604
現在、新型弾は徹甲弾と訓練弾のみであるが、曳光弾、一般貫通弾(point penetrating)、プログラム炸裂弾(programmable airburst)、および対空弾は開発中である。
New 40mm cannon system Superior Firepower for armoured fighting vehicles.
機関砲そのものに関しては、新型装填システムが採用され、弾が90 度の角度で装填されて薬室で回転して発火位置へ収まるようになっている。装填された新型弾は、空薬莢を車外に排出されるため、車内の省スペース化に貢献している。新型40mm砲は、現行の30mm砲と交換されるため、携行弾数の増加と搭乗員の居住性が向上すると思われる。
「この次世代機関砲は、英仏の緊密な協力によって開発され、イギリス軍だけでなくNATO 軍の戦力増強に役立っている」。「初回納入分は1780 億ポンドとなるが、間違いなくイギリスのエージャックスの戦闘力を増強させるものである」。国防調達責任者のフィリップ・ダンは語る。
ケースド・テレスコープド・キャノンシステムの構造(http://www.quarryhs.co.uk/CTAmech.jpg)BAE Systems 2016/03/21
Text: 友清仁 - FM201604
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