アカデミー賞に過去三度輝いたアン・リー (Ang Lee) 監督が、イラク戦争帰還兵の苦悩を描いた戦争映画『 Billy Lynn's Long Halftime Walk 』の海外版オフィシャルトレーラー第一弾が公開された。本作は、ベン・ファウンテン（ Ben Fountain ）による同名ベストセラー小説の映画化である。

物語は ―― イラクの戦地から帰国した19歳のビリーは、激戦を潜り抜けたブラボーチームの戦友たちと共に戦争英雄として凱旋ツアーへ参加するの為に故郷へ戻ってくる。感謝祭に行われるアメリカンフットボール「サンクスギビングデー・ゲーム」のハーフタイムショーに登壇したしたビリーは、華やかなショーを目にしながら凄惨を極めた戦地での記憶がフラッシュバックしだし、戦争に対するアメリカ市民の認識の違いを突きつけられる。そして、ショー終了後にビリーたちは、再びイラクへ向かうことを告げられる…。

本作は、3D作品として仕上げられており、戦場シーンのために4K画質の高フレームレート（毎秒120コマ）で撮影されたとのこと。

監督のアン・リー（ Ang Lee ）は台湾出身で、アカデミー賞は「グリーン・デスティニー」で外国語映画賞、「ブロークバック・マウンテン」と「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」で監督賞を受賞し、他にもゴールデン・グローブ賞（監督賞・外国語映画賞）、ヴェネツィア国際映画祭（金獅子賞）、ベルリン国際映画祭（金熊賞）など世界各地の映画賞を数多く受賞している。本作は次回アカデミー賞の有力候補と目されている。

脚本は、本作がデビューとなるジャン=クリストフ・カステッリ（ Jean-Christophe Castelli ）が担当。

主役のビリー役に無名の新人俳優ジョー・アルウィン（ Joe Alwyn ）が抜擢された。ビリーの姉：キャサリン役に「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート（ Kristen Stewart ）、ビリーの上官：ダイム軍曹役に「トロン: レガシー」のギャレット・ヘドランド（ Garrett Hedlund ）、ビリーの戦場体験の映画化を目論むプロデューサー役に大ベテラン俳優のスティーヴ・マーティン（ Steve Martin ）、「ワイルド・スピード」シリーズのヴィン・ディーゼル（ Vin Diesel ）、「ラッシュアワー」シリーズのクリス・タッカー（ Chris Tucker ）などが出演する。

退役軍人の日（11月11日）に全米公開予定。尚、日本での公開は現在未定である。

Text: 弓削島一樹 - FM201605