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タリバンのプロパガンダ映像に出所不明の「SCAR-H」が登場

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タリバンのプロパガンダ映像に出所不明の「SCAR-H」が登場
6月21日、タリバンの公式メディア部門である「アル・エマラ(al-Emara)」が、「アフガニスタンのイスラム首長国 ― "ウマリ陸軍 #5" (Islamic Emirate of Afghanistan — “Umari Army #5)」と題した70分超のプロパガンダ映像を公開。映像の中に、出所が不鮮明な特殊部隊用ライフルが含まれていたことが話題となっている。
問題となっているライフルは、ベルギーのFNハースタル社が手掛けたSCAR。弾倉の大きさからも7.62㎜弾を使用する「SCAR-H」であることが分かり、ライフル先端のレールトップとサイドにはインサイト(Insight)製LA-5とWMX200ウェポンライトの取り付けが確認できる。また、迷彩模様のカバーが掛けられたオプティクスは、そのシルエットと取り付け部分のスローレバー(Throw Lever)形状からエルカン製(ドクターサイト無し)のものであると考えられる。セットアップの状況から、米軍特殊部隊、とりわけ海兵隊特殊部隊レイダースまたは海軍特殊部隊SEAL隊員が持ち込んだものと推察できる。

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戦地アフガニスタンは、武器密売の一大拠点でもあり、鹵獲(ろかく)された武器・装具が闇で取引されることが多い。その種類も多岐に渡り、映像の中には、米国からアフガニスタン国家警察に供与されたはずの、フォード製四輪駆動ピックアップ「レンジャートラック」の存在も確認できる。これら鹵獲品の数々は、脆弱な管理・防衛体制を突いて強奪され、タリバンの手中に落ちることもしばしば起きている。しかしながら、大手軍事情報サイトのミリタリータイムズは、「今回確認されたSCAR-Hは、米国がアフガニスタンに対して提供したリストに入っていないものだ」と指摘している。

ISAFの後継としてアフガニスタン国軍・治安部隊の訓練を中心とした新たな訓練支援任務を担っている「確固たる支援任務(RSM: Resolute Support Mission)」の広報官は、ミリタリータイムズのインタビューに対して、「SCARは他国が実施しているアフガニスタンの治安安定化計画を通じて提供されたものなのかもしれない」と語っている。

また、同記事では昨年8月にアフガニスタン東部のナンガルハール州で、米軍がダーイシュ戦闘員と交戦しており、戦術無線機(PRC-148)などが鹵獲された件を引き合いに出してもう1つの可能性を紹介。(当時晒された鹵獲品の写真にはライフルが含まれていなかったものの)前述の広報官は「昨年8月の件は、ミッション中で初めてSCARが回収されなかった事例だ」とも述べている。

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