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MHS選定に敗北したグロック社幹部「最後までテストを続ければ勝ったはず」

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MHS選定に敗北したグロック社幹部「最後までテストを続ければ勝ったはず」
Photo by Glock
シグ社のP320が勝利したアメリカ陸軍の新制式ハンドガンXM17(フルサイズ)/XM18(コンパクト)の採用コンペ。この結果にクレームをつけていたものの却下されたグロック社のジョシュ・ドーシー副社長がMilitary.comのインタビューでコンペの問題点を指摘している。

参考:アメリカ政府、陸軍の新制式ハンドガン選定におけるグロックのクレームを棄却 - ミリブロNews
2016年8月29日に陸軍はグロック社とシグ社の候補の比較テストを行った。この際、シグ社の銃のほうが「故障率(Stoppage Rate……ジャム等で銃のサイクルが止まる確率)」が高いこと、また精度に問題がある可能性が報告された。また2万5千発の寿命を仕様として設定しておきながら、耐久テストではその半分の1万2千500発しか射撃していなかった。

ドーシー副社長は、結局政府は1億ドル安いシグ社の入札価格を評価したに過ぎないと批判。「グロックを採用しろと言っているのではない、テストを最後までやれと言っている。そうすれば結果が出るだろう」としている。

GAOが公開した報告書の当該箇所はMRBS(平均故障間隔)についてであった。MRBSは故障の頻度を表す尺度で、1回の故障あたりどれほどの時間拘束されるかを表すものではない。つまり軽微な故障がたくさん起こる銃と重篤な故障がたまに起こる銃では、後者のほうがよいMRBSとなるが「信頼性」については判断が難しい。M27 IAR採用の際も、単純に数字の良いものが採用されたわけではなく、その他の様々なファクターが考慮されている。

参考:M27 IARの耐久テストの内容が情報公開法によって明らかに - ミリブロNews

世界最強の軍であるアメリカ軍に採用される利益は計り知れない。それだけに最近存在感を示しつつあるシグ社に取られてしまったことは痛手である。先日、MHS版グロック19・23の画像が公開されたが、もし民間向けに発売されるなら、どのような評価が下されるのか興味が湧くところだ。

米陸軍MHSトライアルに提出されたグロック19と23の画像が公開 - ミリブロNews

Source: Glock Says It's the Best Pick for MHS; Calls on Army for More Tests | Military.com

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201707
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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