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MARSOC隊員が「フリーズドライ血漿」を実戦で初利用し、同盟国の軍人の命を救う。10月までに全部隊が携行

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MARSOC隊員が「フリーズドライ血漿」を実戦で初利用し、同盟国の軍人の命を救う。10月までに全部隊が携行
Photo By: Sgt. Salvador R. Moreno
米海兵隊特殊部隊司令部(MARSOC)が、作戦展開中に重傷を負った同盟国の軍人に対して、初めて「凍結乾燥した血漿(FDP: Freeze-Dried Plasma)」を利用し、その命が救われたことが分かった。海兵隊が8日付の公式プレスリリースで発表している。

MARSOCによりFDPが実戦で初めて利用されたのは先月。米中央軍の管轄する地域でおこなわれていた作戦中に、同盟国の軍人が生死を危ぶまれる重傷を負い、その外傷治療が求められていた。

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MARSOC隊員が「フリーズドライ血漿」を実戦で初利用し、同盟国の軍人の命を救う。10月までに全部隊が携行
Photo: Air Force Special Operations Command Public Affairs
This photo is for illustration purposes only.
血液全体の中で55%を占めている血漿は、その90%ほどが水分で出来ており、血液凝固因子を含む、タンパク質(7~9%)や、ブドウ糖、ナトリウムイオン、その他の無機物ホルモンで構成されている。

従来使われていた冷凍血漿は、冷凍環境下を用意する必要があるだけでなく、解凍してから要救護者へ提供する前に温めておく必要があるなど、過酷な環境を強いられる戦場での利用には不向き。加えて、長期間の凍結保存こそできるものの、一旦解凍してしまうと再凍結させることができないという特性も足枷となっていた。

一方の凍結乾燥(フリーズドライ)した血漿は、運搬、保管が容易で且つ、状態の安定性が高く、2年間もの保存が効くばかりでなく、全ての血液型にも適合するという。

海兵隊ではそれまで、止血帯や化学凝固剤の利用に限られていたが、こうした利便性の高さからも凍結乾燥血漿の利用に注目していた。

MARSOC隊員が「フリーズドライ血漿」を実戦で初利用し、同盟国の軍人の命を救う。10月までに全部隊が携行
Photo By: Sgt. Salvador R. Moreno
マリーン・レイダー連隊付きの軍医である海軍のアーロン・コンウェイ(Aaron Conway)中佐によると、「再構築は6分以内に起き、負傷者の生命兆候(バイタルサイン)の改善は数分も経てばみれるようになる」としている。FDPの使用により生まれた貴重な時間は、設備の充実した医療施設へ負傷者の搬送に充てることができる。

2016年12月以来、全てのMARSOC隷下にある特殊水陸両用偵察隊員は、ディプロイメント時にFDPを1セット携行しており、今後2017年10月までには、全てのMARSOC部隊にもディプロイメント時にFDPが支給される計画となっている。

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