ドイツ軍のG36後継小銃選定レースからシグ社が離脱を表明。「技術要件がHK社に有利だ」と不満を漏らす
ドイツ連邦軍(Bundeswehr)制式小銃「G36」の後継を狙った選定レースにおいて、有力候補の1つとみられていたシグ・サワー(SIG Sauer)社が24日、コンペからの離脱を発表した。離脱の背景についてシグは、提示されている技術的要件があまりにも「ヘッケラーアンドコッホ(H&K: Heckler and Koch)社」にとって有利であるとして、コンペの不公平さを訴えている。
Foto: Bundeswehr/D.Hecker
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既報の通り、G36後継小銃の調達を目指す「シュトルムゲヴェール・システム(Sys StG Bw: System Sturmgewehr Bundeswehr)」計画への参入に当たって、「サプライヤー企業は米国の掲げる【国際武器移転規制(ITAR: International Traffic in Arms Regulations)に該当しない製品】であること」が求めらており、たとえドイツ製品であったとして、高品質の米国技術を利用することは不可能となる。このことについてシグ社は「この制限が設けられた中で、連邦軍の特殊部隊が運用するような新しいアサルトライフルは存在しないだろう」とも皮肉めいている。
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また、連邦軍への供給実績を持たない企業にとっては、参入への高い壁が設置されていたようだ。その根拠としては、要求される弾薬のテストが該当するとのこと。なお、シグ社はその要件を満たす弾薬へのアクセスが拒否されており、今回のコンペ参加において大きく出遅れた要因の1つに挙げられている。
これらのことから、今回の「出来レース」については疑惑の目が向けられており、ドイツ通信社DPA(Deutsche Presse-Agentur)によると、「国防省は申し立てに対して公共調達であることを理由に回答を拒否している」とのこと。一方のシグ社は「コンペ用モデルの提供に当たって、提案までの時間があまりにも短すぎる」とも不満を漏らしている。
シグ社離脱表明の一報は、ドイツ各紙を賑わしているが、大方は120,000挺、2億4,500ユーロ(=約325億円)の受注をHK社が手にする方向で同調しているように見える。
これらのことから、今回の「出来レース」については疑惑の目が向けられており、ドイツ通信社DPA(Deutsche Presse-Agentur)によると、「国防省は申し立てに対して公共調達であることを理由に回答を拒否している」とのこと。一方のシグ社は「コンペ用モデルの提供に当たって、提案までの時間があまりにも短すぎる」とも不満を漏らしている。
シグ社は今回のコンペに「ドイツ・米国の合弁企業入札事業者」として参加し、最新モデルの新型マルチキャリバーライフルである「SIG MCX」を持ち込んでいたが、その撤退表明によって、大本命のヘッケラーアンドコッホ社の「HK416」「HK433」と、ラインメタル×ステアー社の連合チームが提案する「RS556」が残留。この他に欧州メーカーが残留している可能性もあるようだ。
Photo: SIG MCX
シグ社離脱表明の一報は、ドイツ各紙を賑わしているが、大方は120,000挺、2億4,500ユーロ(=約325億円)の受注をHK社が手にする方向で同調しているように見える。
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