平成21年度 日米共同訓練~ヘリボン訓練編~

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平成21年度 日米共同訓練~ヘリボン訓練編~
平成21年度 日米共同訓練、続いて「ヘリボン訓練編」をお届け致します。

平成21年度 日米共同訓練~ヘリボン訓練編~平成21年度 日米共同訓練~ヘリボン訓練編~
今回のヘリボン訓練ではUH-1が3機、CH-47が1機となる計4機のヘリコプターが参加。3機編隊のUH-1の中から1機のUH-1が降下地点へ侵入。低空でホバリングを行います。
写真のUH-1は機体先端上部と下部に角(つの)状となるワイヤーカッターが配備されているUH-1J。

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降下に当たって、リぺリングロープがロープバッグと共に投げ出されます。今回はあくまでも「訓練」の位置付けとなる為、降下地点では補助員がロープの撤去準備を行っています。

一般的に公開されている記念式典での”ショー”としての降下訓練とは異なり、ヘリの侵入から降下完了までが僅か30秒程度で行われていました。
降下地点への侵入速度はもとより、記念式典では降下地点に入り、ホバリング中にドアの開放を行うところを、今回の訓練中では有事を想定し、迅速な降下完了を目指したものとなっている為、ヘリが降下地点へ侵入の直前で既にドアが開放されているなど、同じ訓練内容に見えるが異質のものと言えるでしょう。

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別の角度から。UH-1Jより降下直前の様子。

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陸自迷彩の自衛隊員とACU装備に身を包まれた米陸軍兵がヘリ降下地点で待機中の様子。

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写真向かって左側がUH-1J、右がUH-1H。
先述にある通り、外観上で最も分かり易い違いはワイヤーカッターの有無。その他、よく見てみると迷彩の色味とその塗装パターンが同じ自衛隊迷彩でも大きく異なる事がお分かり頂けるかと思います。
UH-1Hはベトナム戦争当時のものを全長拡大するなど改良をしたのに対して、UH-1JはAH-1S コブラと同型エンジンを搭載した富士重工の開発によるジャパンモデルとなっています。

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この日は何度かに渡って同様の訓練が行われました。次にヘリが降下地点へ侵入するのを待つ1コマ。

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降下地点近くで待機中の陸自隊員。右から3番目の隊員は米軍のDragonにも似た「01ATM(=01式軽対戦車誘導弾-マルヒト)」を携行しています。

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そして程なくすると、3機のUH-1が再び降下地点へ侵入。
眼下に広がる水面は琵琶湖。

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八尾駐屯地 第3飛行隊所属のUH-1Jからは米陸軍の隊員らが搭乗。陸自のヘリからACUを身にした米軍兵が降りる様子はまさに日米協同訓練といったところでしょうか。

平成21年度 日米共同訓練~ヘリボン訓練編~
こちらは別の角度から撮影したもの。着陸したUH-1Hから降り立つ陸自隊員。
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向かって一番右端となる3番目の写真では搭乗していた陸自隊員の中には、01ATM(=携帯対戦車誘導弾)を携行している状況が確認できます。

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一通りの任務を終えて着陸地点から離脱する3機のUH-1。

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先発のレンジャー部隊がヘリから降下し、周囲の安全を確保。その後、主力の受け入れ準備を行い、後続の着陸を誘導するといった流れで行われました。

写真は、降下訓練を終えてヘリから離れるレンジャー隊員。胸元には「勝利」を意味する月桂樹と、「不屈の魂」を意味するダイヤモンドがあしらわれたレンジャー徽章が光ります。
装備に着目してみると、リペリングを行い易いように、官給品のマグポーチとピストルベルトが比較的高い位置としています。
また、写真中の隊員が抱えるロープバッグはBlackhawk!製と思われるものを使用しています。

平成21年度 日米共同訓練~ヘリボン訓練編~
こちらも一通り本日の訓練を終えて、ヘリ降下地点付近から離脱する米陸軍兵。写真中の左端に写っている兵士のように、東洋系の顔立ちをした兵士の姿も何人か確認できます。この兵士が抱えているWoodlandのダッフルバッグは90年代に僅かの期間生産されたもので、今となっては見掛ける事が少なくなったレアなもの。
また、その右横には90年代初めより米陸軍正式採用となったM240Bを携行する陸軍兵の姿も確認できます。

平成21年度 日米共同訓練~ヘリボン訓練編~
ヘリボン訓練終了後、日米の隊員が集まり取材陣に向けて個人携行装備の展示が行われました。
中央の陸自隊員は110mm個人携帯対戦車弾「パンツァーファーストⅢ(LAM:Light-weight Anti-tank Munition
)」を携行しています。

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陸自側広報より米軍、陸自の順番で交互に隊員が立ち、プレスへの配慮を頂きました。

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オーソドックスなCOLT M4A1。Knights社のレール搭載とM203グレネード、光学機器はAimpoint Comp M2、リアサイトは官給品Matech社製のものとなっています。Comp M2には軍用であるM68との記載があり、たまたまなのか、支給番号も68番となっています。一方でM203グレネードには104番、ストックには4番とナンバリングされており、陸自側では全ての番号が1つの小銃で統一されている事との違いが大変印象的。

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官給品のM60スリングでM249 MINIMIを携える米陸軍兵。MINIMIはFeed CoverとRailが追加されただけの少し旧スタイルのシンプルなもの。搭載されている光学機器はマウントと共にスウェーデン Aimpoint製 Comp M4となっています。

平成21年度 日米共同訓練~ヘリボン訓練編~
M240の中でも米陸軍が採用するM240B。光学機器の搭載はELCANを選択しています。ELCAN (Ernst Leitz Canada)は巨大軍事コングロマリット(複合企業体)Raytheon傘下にあるカナダのメーカー。

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こちらは日本側、米国側と分かれての記念写真。

取材協力:陸上自衛隊 第3師団
陸上自衛隊 第3師団ホームページ
陸上自衛隊では隊員を随時募集中!


以上、ヘリボン訓練の状況をまとめてお届け致しました。なお、掲載内容は編集の都合上、実際に行われた訓練模様と時系列が異なり、順序が逆転している場合があります事を予めご了承下さい。

続いて次回は市街地戦闘(MOUT)訓練およびヘリボン訓練の模様を収録した映像をお届け予定です。
お楽しみにお待ち下さい。

前回の「市街地戦闘(MOUT)訓練」はこちら


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