米軍がトップアスリート愛用のヘッドセット型装置を使って兵士のパフォーマンス向上を狙う
米国防総省が、兵士のパフォーマンス向上を狙って、新たな技術を使った装置の導入に向けた動きをみせている。アシュトン・カーター国防長官は 26 日、脳に刺激を与えることで着用者のパフォーマンスを引き出す、アスリート用のヘッドセット型ガジェット「ヘイロー・スポーツ (Halo Sport) 」をベースに開発した製品の試験に乗り出すことを明かした。
Photo: via Halo Neuroscience
ヘイロー・スポーツは「ヘイロー・ネウロサイエンス (Halo Neuroscience) 」社により開発されたもので、リオ・オリンピックを目指す米国内のトップアスリートにおいて愛用されている。同社によると、米国のスキーチームの面々などを被験者としておこなわれた実証試験において、2 週間の利用で脚力が 12% 向上したとの検証結果が出ているという。
Photo: via Halo Neuroscience
国防総省は、それまで国防分野との関わりを持たなかった情報技術 (IT) 関連の企業に近付き、革新的な技術の獲得や優秀な人材の確保を狙った出先機関「国防革新ユニット (DIUx: Defense Innovation Unit Experimental) 」を設置。ヘイロー・ネウロサイエンス社は DIUx からの資金援助を受けている。
脳と運動は密接な関係にある。ヘイロー・スポーツでは、ヘッドセットのバンド内側に敷き詰められた柔らかなフォームのプライマーから電気信号が送られ、脳の運動皮質 (motor cortex) に働き掛けることで、神経細胞ニューロンの能力を増強させるという仕組み。メンタルとフィジカルの両側面において能力の向上が図られるという。
Photo: via Halo Neuroscience
また、米国での軍事転用の一報を聞きつけた英国メディアでは、保守系高級紙であるタイムズを筆頭に「SAS や SBS の精鋭兵士にとっても役立つ可能性がある」としている。加えて英タブロイド紙においては「カウンターパートとなる英軍特殊部隊兵士での利用が噂される」とも報じている。
民間向けのヘイロー・スポーツについては、世界各国において 649 ドル (=約 67,000 円) で販売中。
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