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「5.56mmでは威力不足」独H&K社が国防相向け書簡で次期制式小銃の選定プロセスを批判

海外軍事 Comments(1)
「5.56mmでは威力不足」独H&K社が国防相向け書簡で次期制式小銃の選定プロセスを批判
Foto: Bundeswehr / Vierfuß
This photo is for illustrative purposes only.
ドイツ・H&K社製の制式小銃G36の着弾ズレ問題に端を発する独軍次期制式小銃の選定と入札プロセスについて、これに参加しているH&K社が「選定プロセスに不備がある」と批判している。

現在のコンペにおいて次期制式小銃の口径は指定されていない。しかしH&K社によれば、要求仕様を満たすサイズ・重量の小銃は自ずから5.56mm口径に決まるという。
米軍が次期分隊火器に6.8mm口径を選択するなど長射程化・貫通力強化を狙うのがトレンドである中、5.56mm口径ありきの選定プロセスでは兵士の生命に危険が及ぶ可能性が高まるのではないかと、H&Kは国防相宛の書簡でプロセスを批判した。

G36の後継小銃については2021年までの配備開始を目指し、現在入札とテストが行われているが最終決定は難航しているようだ。2018年10月の報道によれば、その時点ですべての候補が必須の仕様を満たすことができず落第しているという。

またH&Kのように仕様そのものに疑問を呈する声もある。5.56mmで十分であるとする軍首脳部と、より貫通力の高い7.62mmなどの口径を要望する一部部隊の確執もあるようだ。

参考:ドイツ陸軍の制式小銃「G36」後継を巡る選定の最終結果は『2019年』に持ち越し - ミリブロNews

国防省のスポークスマンは各メディアの取材に対し「個別の事例については回答できない」とコメントしている。

Source: Heckler & Koch kritisiert Ausschreibung für Sturmgewehr - Wirtschaft-News - Süddeutsche.de, Nachfolger für G36: Neue Sturmgewehre für Bundeswehr scheitern im Test - WELT

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201905
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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この記事へのコメント
そもそも、その気は無かったと言っても幾ら頑張ってもちゃんと当たらない銃を兵士たちに納品していたメーカーが、コンペの内容にケチつけて兵士の命がとか、さすが欧州と言うべきか。
図太いと言うか、もう笑うしか無い。
Posted by 尚 | at 2019年07月06日 23:22
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