「小銃の長さの名前」はどのようにして決まったか

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「小銃」といっても用途や形態によって様々な呼び名がある。特に「長さ」に関するものは普段から目にすることも多いだろう。どのような長さの小銃がどのように呼ばれているのか。後装式ライフルが一般的なものになった第1次世界大戦から第2次世界大戦頃はこのように分類されていた。

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    ライフル
    銃身長30~32インチ(760~810mm)

    ライフルは「rifled gun」が短くなった形で当初は「ライフリングを施した銃」全般を指していた。現在の「歩兵が肩付けして撃つ銃」を意味するようになったのは18世紀末頃のことである。

    その頃のライフルは単発式で1発撃つと再射撃までに時間がかかった。このためライフル銃隊の兵士は横隊を組み前後の2~3人が交互に射撃を繰り返して装填速度の遅さをカバーしていた。この時、あまり短い銃身では前にいる味方の後頭部を指してしまいかねない。そのため前の味方を十分に超えられる長さの銃身が第1次世界大戦ごろまでライフルのスタンダードとなった。

    ライフルにある程度の長さが必要であったのは銃剣を使用するためでもあった。銃剣自体も長いものが多く、これを装着すると槍のように使用することができた。対人戦能力はもちろん、第1次世界大戦では現役であった騎兵への対策として槍のような銃剣は重要なものであった。

    カービン
    銃身長17~20インチ(430~510mm)

    その騎兵達が使用するのに特化した銃が生まれるのは必然ともいえる。「カービン(騎兵銃)」と呼ばれるこの銃は、片手で武器を扱わなければならない騎兵達のために短く切り詰められている。銃が軽くなることで反動が強くなるため、コンペンセイターが装着されたり減装弾が使用されることもあったようだ。また騎兵は伝統的にサーベルを携帯するので、銃剣の着剣装置やスパイクが省略されているものも多く見られる(四四式騎銃など例外は多くある)。

    現在でいうところの「カービン」は「短いライフル」あるいは「(しばしばピストルキャリバーレベルの)小口径」のもの全般を指しており、馬上での使用を前提としていないものがほとんどだ。

    Universal Short Rifle(訳:汎用短小銃)
    銃身長24~26インチ(600~660mm)

    こうした伝統的な「ライフル」と「カービン」は第1次世界大戦には時代遅れになった。機関銃や大砲の登場によって密集陣形が役に立たなくなり、移動と射撃を繰り返す散兵戦が一般的なものとなったためである。

    そうした中で生まれたUniversal Short Rifle(訳:汎用短小銃)は従来のライフルとカービンの中間的な性格をもつライフルである。短くなることで歩兵の負担は減り、トラックや列車で運ばれる際も有利になった。一方でサイトレディアス(フロント~リアサイト間の距離)は十分に確保され、精度の高い射撃が行える。

    英国のリー・エンフィールドやアメリカのM1903スプリングフィールド、日本の99式短小銃、ドイツのKar98kなど第1次世界大戦以降の「ライフル」の多くは、このフォームファクターに収まるものが多い。しかしこのUniversal Short Rifleを経なかった国もたくさんある。

    ドラグーンライフル

    ロシアにはドラグーン(竜騎兵)と呼ばれる兵種があった。移動は馬に乗るが、戦う時は馬から降りて戦う兵種である。彼らはモシン・ナガンM1891の長さを僅かに詰めた「ドラグーン・ライフル」を持って戦った。その後同等の長さを持つM1891/30が生まれ、その騎兵銃型であるM38、M44で一気に短いものになった。

    イタリア

    いわゆる「ライフル」であったカルカノM1891からは様々なバリエーションが生まれたがいずれもUniversal Short Rifleとしては長すぎ、あるいは短か過ぎるものであった。紹介されているのはライフルと17.7インチ(約449mm)銃身の騎兵銃型2種、そして20.7インチ(約525mm)銃身の「TS(特殊部隊)」モデルである。

    フランス

    東南アジアに植民地をもったフランスは、ジャングルで戦う現地出身の兵士のために当時の制式小銃ルベルM1896よりも軽量・短小なベルティエ・モデル1902を採用する。これはUniversal Short Rifleのカテゴリに収まる「コロニアル・ライフル」であった。フランスはその後フルサイズのライフルに回帰するものの、MAS36で再びコンパクト化を達成する。

    各国それぞれの軍事的・経済的事情は大きく違っているはずだが、時代ごとの大きな流行にそったものに結実していくのが興味深い。銃の長さ一つとっても必然から生まれてきたことがよく分かる動画である。

    Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201712
    Chaka (@dna_chaka)
    世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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