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初めての「実戦」は人にどんな影響を及ぼすのか?米陸軍士官学校『現代戦争研究所』が戦闘体験を調査

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米陸軍士官学校のあるニューヨーク州ウェストポイントの『現代戦争研究所(MWI: Modern War Institute)』が、「厳しい試練:初めての戦闘体験調査(Baptism by Fire: A Survey of First Combat Experiences)」と題したレポートを発表した。

現代戦において実際の戦闘を体験した退役軍人らへのアンケートを基に、戦闘状況が①生理学、②感情、③認知、④会敵時における行動と、4つの側面からヒトに及ぼす影響を分析している。ここでいう「戦闘状況」とは、敵と直接的なコンタクトを図ることで生命の危険に晒されるあらゆる場面を指している。

被験者は退役軍人のネットコミュニティー(SNS)を通じて集められたボランティアで、その母数は304名。内訳は95.4%が陸軍出身者となり、以下、海兵隊員3.3%、空軍1%、海軍0.3%。ベトナム戦争から現在までの戦争体験者となり、平均して戦地で12~24ヶ月を過ごしている。

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    ①生理学的な反応
    「戦場」という非日常的な環境下によって急性的なストレスを感じている間、心拍数の増大(87.9%)を筆頭に、呼吸促迫(42.3%)、筋肉の緊張(31.9%)などの症状が現れた他、視野狭窄(24.4%)、聴覚喪失(17.9%)、身体の震え(15%)といった状況が確認でき、起こり得る様々な生理反応が存在していると言える。

    ②感情的反応
    戦闘状況を経験する前およびそのさなかでは、「恐怖」と「不安」が高まるものの、その場を過ぎれば急速に落ち着きを取り戻す様子が描かれている。興味深いところでは、一度戦場を経験した後に「楽しい」と感じた割合が25%となっている点だ。これは経験前とその最中では一桁台%だったことから考えれば飛躍的な上昇と言えそうだ。しかし一方で、「悲しい」と感じた人の割合も「楽しい」とほぼ同じ傾向となっており、尚且つ近い割合を示している点も特筆に当たる。

    ③認知
    初めての戦闘状況について、人はどのようにそれを受け止めるのだろうか。60%近くが「考えずにただ行動した」と回答している。以下、「やるべきことを分かっている」が30%、「これは本当に起こっているのか」と現実を理解できなかったとの回答が約25%、「対処の準備がある」がそれとほぼ同数の20数%、「これはおかしい」と考えた者が10%と続いている。一刻の判断とその後の行動が生死を分ける戦場だけに、研究所ではこの結果を踏まえて、自動的に示す反応(考えずに起こす行動)を改善するため、現実的で反復的な訓練の重要性を唱えている。

    ④会敵時の行動
    初めての戦場で自ら銃を撃ったことがある、或いは敵と直接的な交戦をしたかという設問に対して、「はい」と回答した人が54%であるのに対して「いいえ」が45%となっている。非常に漠然とした設問を精査するため更に設問が続き、「あなたが取った行動を最もよく表しているものは何ですか?」に対して「戦った」との回答が40%を超え、「他者を助けた」が20%弱などとなっている。

    Source: Baptism by Fire: A Survey of First Combat Experiences

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