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米陸軍の「XM25」計画でオービタルATKとH&K社が対立。計画が暗礁に乗り上げた内情が明らかに

海外軍事

Photo from U.S. Army
離れた遮蔽物の裏側に潜む敵を、発射された擲弾の空中炸裂によって削ぐことから、その絶大な威力に期待が寄せられてきた米陸軍のXM25遮蔽標的対処交戦(CDTE: Counter Defilade Target Engagement)システム。

昨年8月末に国防総省の監察総監室(DoD IG: Department of Defense Office of Inspector General)が陸軍に対して計画の進退決定を勧告していたが、ここに来て新たな内情が判明している。

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米国防総省の監察総監室が陸軍に対して「XM25」計画の進退決定を勧告。11 月にも主要方針か
ロイター通信は2日、米航空宇宙防衛企業のオービタルATK社(Orbital ATK Inc)が、2,700万ドル(=約30億4,000万円)を超える損害賠償を求めた訴訟を起こしたことを報じた。

ミネソタ州の連邦裁判所に寄せられた訴状によると、XM25計画で20年以上に渡って共に開発を進めてきた、ドイツの銃器メーカー ヘッケラーアンドコッホ(Heckler & Koch)社が、20種類におよぶ追加試作モデルの提供をしなかったことが原因で、米軍との契約を切られる憂き目に遭ったとしている。

ロイター通信が確認したATKの訴状によると、「たとえ主たる契約が排除されなかったとしても、H&Kの不履行に伴う重大な遅延の結果、ATKとしては余剰のコストが掛かっている」「そして代替業者から、20種類の試作モデルを再調達する必要がある」とし、H&Kに対して別の請負事業者に作業を引き継げるよう、特定の知的財産権の移行を求めている。

Photo from Orbital ATK
一方、訴状の中でH&K側にも独自の見解があることがみえてくる。

H&Kとしては、「到達し難い場所に隠れている敵や、壁の向こうで守られている敵を狙い撃つ」という、XM25の特性自体がそもそも「戦時国際法」に抵触しているのではないのかとした疑問を抱いているようだ。

その根拠としているのは、1868年の「サンクトペテルブルグ宣言」(St. Petersburg Declaration of 1868)となっている。サンクトペテルブルグ宣言では、400グラム未満の爆発性投射物の使用放棄が規定されており、今回のXM25についてはそれに該当するという認識があるようだ。

一方のATKは「そもそもXM25が国際法を破るために使用されるという仮定に基づいている」として反発。顧問弁護企業を雇って応戦する体制をとり、「XM25は如何なる国際的な戦争関連法にも抵触していない」と対決姿勢をみせている。

また、訴状の中で、H&Kは米国政府のお墨付きを得られる場合に限定して供給をおこなうことに合意していたことが伝えられているが、当の米政府がそれを拒否していた実態も浮き彫りとなっている。

H&Kは「そもそも正式に連邦裁判所からの通達を受けていないので、詳細をコメントする立場にない」としている。

「パニッシャー(Punisher)」の愛称でしられる「XM25 CDTEシステム」は、個人携行用のセミオートマティック式空中炸裂システム。目標捕捉(target acquisition)システムにその特徴を持っており、ボタンを押下することでターゲットとの距離が測定され、そのデータが25mm弾に組み込まれた電子起爆装置に送信される。実射時は、600メートル以上離れた敵ターゲットに対して炸裂させることで攻撃を仕掛けることができる。

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