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米国防総省がイエメンの夜間襲撃作戦で戦死した ST6 メンバーを特定

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U.S. Navy photo by Oscar Sosa
Image is for illustration purposes only.
米国防総省は 30 日、イエメンでおこなわれたアルカイダ系テロ集団 (AQAP: Al-Qaeda in the Arabian Peninsula) に対する夜間襲撃作戦において、犠牲となった海軍特殊部隊 SEAL 隊員の個人を特定し公表した。

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戦死が確認されたのは、イリノイ州ピオリア出身のウィリアム・オーウェンズ (William Ryan Owens) 隊員 36 歳。海軍特殊作戦司令部 (NSWC: Naval Special Warfare Command) は「東海岸にベースを置く特殊作戦ユニットのメンバーだ」としている。一方で、複数の報道機関が SEAL の選抜チームである「ST6 (SEAL Team 6, a.k.a. "DevGru" ) のメンバーだ」としていることについて、海軍自体は明言していないことが報じられている。

なお、この作戦では交戦時にオーウェンズ氏以外の 3 名の他チームメンバーの負傷と、更に別の 3 名が MV-22 オスプレイが地面に叩きつけられるような着陸 (hard landing) をしたことによって負傷したことが伝えられている。一方で米中央軍司令部は、「作戦の中でアルカイダ戦闘員 14 名を殺害した」と発表している。


Photo Credit: Navy
オーウェンズ氏は 1998 年 8 月 24 日海軍に入隊。通信の暗号化技術者として初期訓練を経験。2002 年 12 月にカリフォルニア州コロナドの SEAL 訓練課程を終えているが、その以前にはメリーランド州シュートランドでおこなわれた海軍情報局 (ONI: Office of Naval Intelligence) での勤務経験を持っている。

西海岸の SEAL チーム所属時代に初の派兵を経験して以降、東海岸のチームで 3 度連続して派兵されており、5 番目のチーム派兵で戦死している。

海軍機関紙ネイビータイムズによると、2009 年には上等兵曹 (CPO: Chief Petty Officer) に昇進している他、分かっている限りで下記のメダル等を受勲している。

・海軍海兵隊章 (Navy and Marine Corps Medal)
・戦闘功労付き青銅星章 (Bronze Stars with combat "V") × 2
・青銅星章 (Bronze Stars)
・戦闘功労付き統合任務功績章 (Joint Service Commendation Medal with "V") × 2
・海軍・海兵隊称揚章 (Navy/Marine Corps Commendation Medal) × 2
・統合参謀本部勲功章 (Joint Service Achievement Medal)
・海軍・海兵隊勲功章 (Navy/Marine Corps Achievement Medal) × 3
・戦闘行動リボン (Combat Action Ribbon)
・統合勲功部隊章 (Joint Meritorious Unit Award) × 2
・善行章 (Good Conduct Medal) × 6
・大統領殊勲部隊章 (Presidential Unit Citation) × 3
・国防従軍章 (National Defense Service Medal)
・アフガニスタン従軍章略綬 (Afghanistan Campaign Medal)
・対テロ世界戦争遠征記章 (Global War on Terrorism Expeditionary Medal)
・対テロ世界戦争派遣記章 (Global War on Terrorism Service Medal)
・海軍・海兵隊海上展開リボン (Sea Service Deployment Ribbon) × 8


この他にも今回の作戦について、幾つかの新しい情報が確認できる。

国防総省の広報官であるジェフ・デービス (Jeff Davis) 海軍大尉が記者会見の中で、「交戦の中で女性戦闘員が数多くいたのを目撃した」とする、現場にいた SEAL 隊員の証言を紹介している。

「SEAL が敵の潜む施設へ近づいたところ、女性の姿が確認できた。彼女らは臨戦態勢をとるべく、戦闘ポジションへ一目散に走り、我が軍メンバーへ向けて発砲してきた」「彼女らはこうなることを想定した何等かの訓練を受けていた (ような手慣れた動きだった) 」とし、ST6 メンバーがアルカイダの女性戦闘員と戦い、それらの殺害に至った状況がメディアの紙面を賑わしている。

また、作戦の中で 30 名ほどの市民が犠牲となっているが、その中には故アンワル・アウラキ (Anwar al-Awlaki) 容疑者の 8 歳の幼い娘が含まれていたことが分かっている。

米ニューメキシコ州出身で、米国とイエメンの二重国籍者であったアウラキ容疑者は、2011 年にイエメンにいたところを CIA の武装ドローン「プレデター」の攻撃によって殺害されている。今回死亡した 8 歳の娘も父親と同じく米国生まれだった。

幼い命を奪われた祖父であり、イエメンで前農業大臣を務めたこともあるナッサー・アル・アウラキ (Nasser al-Awlaki) 氏は、ロイター通信のインタビューに対して「何故こんな小さな子供が苦しみ、命を奪われなければならないんだ」「これが米国の新政権なのか。何とも嘆かわしい」と答えている。

少女殺害の一報は、すぐさま中東圏のソーシャルメディアで拡散され「憎しみが更なる憎悪を生み出す」という、負の連鎖に陥る懸念になると同時に、米国の子供を狙った新たなテロを誘発する危険性が既に指摘されている。

米軍高官は NBC ニュースのインタビューに対して「ほとんど全てのことが上手くいかなかった (Almost everything went wrong) 」と語っており、トランプ政権下で初めて秘密裏におこなわれた今回の作戦について、非があったことを認める発言をおこなっている。

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