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米陸軍、海兵隊に向けて製造された「受刑者」謹製の防弾ヘルメットが大量に欠陥品

海外軍事

Photo Credit: Maj. Web Wright
Image is for illustration purposes only.
米国の監察総監室 (Office of Inspector General) が、刑務所の囚人によって製造された、陸軍と海兵隊向けの「欠陥ヘルメット」に関する概略報告書を明かした。

この欠陥ヘルメットは、オハイオ州ヘブロンのアーマーソース社 (ArmorSource LLC) の下請けである、連邦刑務所インダストリーズ (FPI: Federal Prison Industries) が手掛けていたもの。アーマーソースは、2006 年に陸軍向け ACH (Advanced Combat Helmet) を 3,000 万ドル (=約 33 億円) で受注した 4 つの防衛企業の内の 1 つに数えられており、海兵隊向け軽量ヘルメット (LMCH: Lightweight Marine Corps Helmet) についても数百万ドル (=数億円) 規模で受注を勝ち取っている。

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陸軍は 2010 年、アフガニスタンで実際に使われたヘルメットを含む、およそ 44,000 個の不良品を回収。「不正な材料と製造工程が見つかった」と発表していた。

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    なお、報告書の中には「ケブラーの断片やゴミがヘルメットのパーツを埋め合わせるの使われていた」「いくつかのヘルメットにおいては、シリアルナンバーが改変または変更されていた」としており、製造現場におけるずさんな管理体制が浮き彫りとなっている。
    加えて監察官は、国防契約管理局 (DCMA: Defence Contract Management Agency) が十分な管理体制を敷けていなかったことも指摘している。(DCMA は、軍需物品の契約管理と契約履行を担当する国防総省の内局)


    Capture screen via ArmorSource LLC
    欠陥ヘルメットは、テキサス州ボーモントの刑務所の囚人らによって製造されたもので、陸軍向けには 2006 年から 2009 年の間に、126,052 個が製造されている。本件を詳報しているワシントンポストによると、政府の金銭的損失は 1,900 万ドル (=約 20 億円) 以上だと指摘。なお現在は、同刑務所でヘルメットの製造はおこなわれていないとのこと。その他 2010 年には、FPI で樹脂部門の監督を務めていた 2 名が、ヘルメットの製造工程についてアーマーソースを相手に提訴するなどの内紛も明かされている。

    刑務所当局は、「本件に関連して我が軍の兵士が死亡または負傷したという事例は 1 件たりとも無い」としているが、調査を担当する司法省からは今のところ正式な発表はおこなわれていないことが指摘されている。また、FPI またはアーマーソースは今もって「お咎め無し」となっており、それどころか、アーマーソースに至っては今年の 5 月に海兵隊向けに 10,000 個のヘルメット製造に関する別契約を獲得している。

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