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ロシア特殊部隊の全貌「スペツナズ(Osprey Elite Series)」

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Photo: Namiki Shobo

ロシア軍最強の特殊部隊「スペツナズ」は高度な戦闘力と残忍さ、そして高い技術で名声を轟かせている。だが、その詳細を知る人は少なく、存在は神格化されている。
スペツナズはクレムリンが軍事介入する際には「槍の穂先」として常に戦地におもむいた。隠密裏に参戦したスペイン内戦、第2次世界大戦におけるパルチザン運動、1968年のチェコスロヴァキアと1979年のアフガニスタンでは先頭に立った。ソ連崩壊後はチェチェン、最近の例では2014年にウクライナで戦った。第一級のロシア軍事研究者が部隊の誕生から組織・装備までスペツナズの実像に迫る!

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監訳者のことば
本書の中でも十全に示されている通り、ガレオッティは戦前の軍事思想やスペイン内戦への関与、独ソ戦におけるパルチザン活動の経験などに遡って、ソ連において特殊部隊というものがどのように位置付けられ、発展してきたかを明らかにしている。

ここから浮かび上がるのは、スペツナズとはソ連独特の軍事力の運用形態なのであり、西側でいう特殊部隊とはイコールで結べないということである。ごく少数のエリート兵士から構成される西側の特殊部隊とは異なり、ソ連のスペツナズは徴兵から構成される軽歩兵部隊であって、この点は現在のロシアでも基本的に変化はない。たとえば現在のロシア軍には7個ほどのスペツナズ旅団が存在するが、そのすべてが西側の特殊部隊に匹敵する精鋭であるはずはないだろう。

だが、これをもってスペツナズが西側の特殊部隊に比べて練度で劣る云々といった批判が当たらないことは明らかである。スペツナズはスペツナズという軍事力の運用形態なのであり、それがどのような経緯で生まれ、戦ってきたのかを知らなければスペツナズを理解したことにはならない。

これはウクライナ危機以降におけるロシアの軍事思想を理解するうえでも当てはまる。2014年のクリミア併合やドンバスでの非公然介入は、世界に大きな衝撃を与えたが、その実相を正しく理解することはロシアの政治や軍事の専門家でも容易ではなかった。

ロシア政府はウクライナに軍事介入を行なっている事実自体を認めようとせず、正規軍以外にも民兵や愛国勢力、犯罪組織など多様な組織を動員したためである。ロシアが国有メディアを総動員して展開した情報戦も、事実関係を曖昧にした。

こうしたなかで一躍メディアから注目を浴びたのがガレオッティであった。ガレオッティはオーソドックスなロシア軍事の研究を行なうかたわら、ロシアにおける諜報や組織犯罪にも注目し続けてきた数少ない専門家であり、それゆえにロシアが軍事介入で用いた手法や紛争参加勢力について的確な解説を行なうことができた。

さらに、ウクライナ介入では2010年代になって設立された精鋭部隊、特殊作戦軍(SSO)が初陣を飾ったが、これがロシア軍の保有した初めての(西側的な意味における)「特殊部隊」であることを理解していたのは、ガレオッティをはじめとするごく少数の専門家だけであった。
小泉悠


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