米陸軍の技術者が考える未来の航空機隊の定義

ミリタリーブログサポートチーム

2015年03月06日 17:47


Photo Credit: U.S. Army graphic by AMRDEC VizLab

米陸軍は 3 月 2 日、『Army engineers define future aviation fleet』と題する記事を掲載し、米陸軍による将来の航空機の開発や運用についての取り組みを紹介した。

米陸軍は現在、統合多目的技術実証機 (JMR TD, Joint Multi-Role Technology Demonstrator/Future Vertical Lift) と名付けられた、新しい垂直離着陸機の開発計画を進めている。これは現在のヘリコプターのアップデートなどでは実現できない、まったく新しい機能やミッションを実現することを目指している。

Photo Credit: Artists rendering courtesy Bell Helicopter
The tiltrotor V-280 Valor aircraft is Bell Helicopter's vision of the future as it prepares for flight demonstrations for the U.S. Army in 2017.

Photo Credit: Artists rendering courtesy SikorskyBoeing
Sikorsky and Boeing have worked together on their offering for the U.S. Army's joint multi-role technology demonstrator called the SB-1 Defiant.

米国防総省では、この JMR TD の技術を使い、将来の垂直離着陸機 (FVL, Future Vertical Lift) の開発に活かし、さらに現在運用中のヘリコプターを代替することを計画している。

FVL に対しては、現在シコルスキー社とボーイング社のチームと、ベル・ヘリコプター社の 2 つが参画し、提案を行っている。これら産業界からの提案では 12 人の兵士と 4 人の乗組員を運び、高度 6,000 ft、華氏 95 度 (摂氏 35 度) の条件下でホヴァリングができ、また空中給油なしで 2,100 海里を最低 230 ノットで飛行することができるとされる。

最初の飛行試験は 2017 年の夏に予定されており、試作機は 2022 年から 2024 年ごろに完成する見込みとのことである。

米陸軍では、米海軍や米航空宇宙局 (NASA) などからのサポートも得つつ、科学と技術の両面から、この技術的課題に挑んでいると述べられている。

RDECOM Public Affairs 2015/03/02
Text: 鳥嶋真也 - FM201503
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