NEWS

F-35B(BF-5)、NAS/JRBで試験飛行を実施

海外軍事 Comments(0)
ロッキード・マーチンは24日付けのリリースにおいて、F35シリーズの基本型で通常離着陸タイプのF-35A(AF-4)が1月22日、NAS/JRB(Naval Air Station/Joint Reserve Base)のFort Worthから3.2時間掛けた、エドワーズ空軍基地へ飛行したことを明らかにした。なお、同リリースによると、F-35の飛行試験はこれまでに合計578フライトに及ぶとしている。

比較的開発状況が順調に進んでいるとされているCTOL(Conventional Take Off and Landing:通常離着陸)タイプに比べて、開発状況に暗雲が掛かった、STOVL(Short Take Off and Vertical Landing:短距離離陸・垂直着陸)タイプのF-35Bについても同社からのリリースが発表された。

F-35B(BF-5)、NAS/JRBで試験飛行を実施F-35B(BF-5)、NAS/JRBで試験飛行を実施
ロッキードマーチンが28日付けのリリースで発表した内容によると、海兵隊向けに開発を進めていたSTOVLタイプのF-35Bにおいて、その試験運用機の5号機となる「BF-5」が、フォート・ワースにおいて初飛行を実施したことを明らかにした。なお、今回の発表においてロッキード・マーチンでは、年内にはこのBF-5を米海軍・海兵隊の航空機試験評価用航空基地として知られる、NAS(Naval Air Station) Patuxent Riverへ移送し、先発して試験を受けているF-35B×4機、F-35C×1機との合流をおこなうとしている。

先日にもお伝えしたとおり、DoD(Department of Defense:米国防総省)は今月6日、ゲーツ国防長官の発表として、2012年度会計からの5年間において、総額約6兆5,000億円にものぼる国防費の見直し計画を発表している。

その中で、ゲーツ国防長官はF-35 JSF(Joint Strike Fighter:次世代主力戦闘機)計画の再構築について言及をしており、空軍と海軍仕様のCTOLタイプの開発を継続するとした一方で、米海兵隊での導入が予定されているSTOVLタイプについては、テスト段階で重大な問題を抱えていることが報告されていることが起因し、今後2年間のテスト運用の中で完成が見出せない場合は、開発の打ち切りを言及しているだけに、今回の開発進行状況については大きな期待と注目が集まる。

F-35の開発状況は、日本の次期主要戦闘機(F-X)選定にも大きな影響を与える。F-35の導入に当たっては、米国の友好国という大前提条件をクリアした上で、国際共同開発に賛同した国軍が優先的な権利を保有することになる。また、その出資している割合によっても開発における発言権が異なることとなり、実に資本主義的発想が最新テクノロジーの開発においても適用されている。
また、この出資国においては、米国に次いで20億ドルもの巨額の開発費を出資した英国とのステルス技術における、情報開示についても多くの問題を抱えていた。

レベル1:英国
レベル2:イタリア、オランダ
レベル3:オーストラリア、カナダ、ノルウェー、デンマーク、トルコ

「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱」の発表の折においても度々報道されていた、「武器輸出三原則」の今後における取り扱いについて懸念が集まる中、F-35の空自への導入に当たって、米国防総省の動きが本格化していることが20日、明らかとなった。

武器輸出三原則にあたっては、武器輸出に関して禁止する法律自体は存在しないものの、国内の過敏なまでに反応する反戦的な政治事由によって、より厳格な武器輸出に関する政策を採ることとなった。武器輸出三原則は、時の政府において任意で取り決められる「運用方針」としての位置付けにあるとされるのが、一般的な解釈となる。
その後、米国からの圧力による武器輸出禁止政策の適用除外が設けられるなどの動きがあり、とりわけ北朝鮮のテポドンによるミサイル攻撃などの、現実的に差し迫った状況をうけて、BMD(Ballistic Missile Defense:弾道ミサイル防衛)に関する項目は、武器輸出三原則における適用が撤廃されているとしている。

中国の「殲-20(J-20)」の登場により、一般的な認知も広がった「ステルス戦闘機」。「第5世代」のキーワードとセットで用いられることの多い、この次世代の戦闘機開発においては、軍事的のみならず、政治的にも科学的にも多くの関心が寄せられている。

韓国の中央日報は31日付の記事で、韓国軍が2015年にも第5世代ステルス戦闘機の飛行を実現させ、翌2016年には韓国空軍への導入を進める見込みとして報道をおこなった。こちらも日本同様に、ステルス性(低観測性=LO:Low-Observability)の高いF-35の導入を有力視している。

また、中国が最高レベルの軍事機密で開発したとしている、話題のJ-20については、そのステルス性能について、その後、専門家の間では否定的な見解が各メディアでも取り上げられている。
先日来、中国のステルス技術は米軍からの盗用技術であるとして報道されており、99年のコソボ紛争の際に、米軍のステルス戦闘機、F-117ナイトホークがセルビア上空において、地対空ミサイルで撃墜されたことが発端となっている。その際に現住民がその残骸を拾得し、中国の工作員がかき集めていたことが関係者によって証言されたためとなる。

ステルス機材の破片が拾得された事実があったとしても、高度に構築されているステルス技術は、現時点で中国の科学技術レベルでは到底及ぶことができないと目されている。また、仮にある程度のレベルまでステルス技術がカバーされていたとしても、航空技術が先進している米国製や欧州製、ロシア製の近代戦闘機と比べて、技術的にも多くの面で見劣りする可能性が高いことが指摘されている。

その最たるものとしては、近代戦闘機に欠かせない情報ネットワーク技術の確立となる。現代の航空戦闘において、戦術的な情報を、戦闘機や管制システムなど関連する人や乗り物、システムといった全てにおいて、相互に共有することのできるネットワークの構築が、必要不可欠とされているためとしている。


参考記事:
http://www.lockheedmartin.com/products/f35/
http://www.fas.org/sgp/crs/weapons/RL30563.pdf
http://www.globalsecurity.org/military/facility/ft-worth.htm
http://www.lockheedmartin.com/data/assets/aeronautics/aboutAeronauitcs/A07-22912A001FtWorth.pdf
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201101/2011012100157
http://www.nids.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j12-2-3_6.pdf
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=137097&servcode=200§code=200
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110130/chn11013022020008-n2.htm


同じカテゴリー(海外軍事)の記事画像
DJI Mavic3カタログスペック解説 Cineモデルとの違いとは?
【ミリタリー雑学】Tan499とかCoyote Brown498って結局ナニ?
ドローンがウクライナ侵攻で果たす役割とは
アメリカがウクライナに10Km先のターゲットを狙えるUAVを供給か
ドイツ企業が新型の空挺装甲車の開発を開始
ロシアの2つの艦艇向け新型対空防御システム
同じカテゴリー(海外軍事)の記事
 DJI Mavic3カタログスペック解説 Cineモデルとの違いとは? (2022-06-07 14:29)
 【ミリタリー雑学】Tan499とかCoyote Brown498って結局ナニ? (2022-05-05 19:21)
 ドローンがウクライナ侵攻で果たす役割とは (2022-04-08 16:46)
 アメリカがウクライナに10Km先のターゲットを狙えるUAVを供給か (2022-03-26 13:10)
 ドイツ企業が新型の空挺装甲車の開発を開始 (2021-08-08 11:54)
 ロシアの2つの艦艇向け新型対空防御システム (2021-08-06 16:57)
この記事へのコメント
コメントを投稿する

この記事をブックマーク/共有する

この記事をはてなブックマークに追加

新着情報をメールでチェック!

ミリブロNewsの新着エントリーをメールでお届け!メールアドレスを入力するだけで簡単にご登録を頂けます!

[入力例] example@militaryblog.jp
登録の解除は →こちら

PageTop