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BAE、「透明マント」開発を本格化へ

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BAE、「透明マント」開発を本格化へBAEシステムズ は5日付のリリースで、車両などを周囲の風景に溶け込ませて隠蔽する "Invisibility Cloak" (=透明マント) がテスト中であると記した。
現在スウェーデンでおこなわれているテストでは、赤外線を利用しているとのことだが、将来的には他の電磁波スペクトラムにも対象を拡大する考えがあるとしている。
また同社によると、この仕組みを実装した CV90 歩兵戦闘車を、9 月下旬の DSEi (Defence and Security Equipment International) 展示会でお披露目する予定。

"Adaptiv" の名で知られるこの特許技術は、六角形の特殊なパネルを用いることで実現している。オンボード・カメラが車輌の背景にある風景をデータとして取り込み解析し、その結果を各パネルに対して急速な温度変化をおこなうことで周囲に溶け込ませる。

いち早くターゲットを捕捉した方が勝利を掴み取り、敗者には無残な死が待つ。単純な戦場の理論の中で、相手から如何にして捕捉されずに済むかは、戦闘における永遠のテーマだ。

人類史上最大の機甲戦が繰り広げられた 湾岸戦争 を例にすると、米軍の M1A1エイブラムス とイラク軍の T72 を始めとする主力戦車が真っ向から衝突したわけだが、航空戦力などの支援戦闘力における違いもさることながら、結果は M1A1エイブラムス による大戦車部隊が 掩体(えんたい) で待ち構えていた イラク軍 の陸戦部隊を凌駕し駆逐した。戦車戦での圧倒的な戦力差を演出した要因の中で特筆すべきは、米軍のサーマル装置 TIS (熱線映像照準装置) の存在が大きかったと言える。主砲の有効射程距離では約2倍、サーマル装置で約5倍の感度が残した結果が、ワンサイドゲームの演出に繋がったと言っても過言ではない。

捕捉する為の機器での優位性が立証された一方で、捕捉され難くする技術の確立にも大きな関心が寄せられる。空を舞台とした戦闘機だけでなく、水上、陸上におけるステルス性の追求も、様々な技術・英知が集まることで実現していく。

なおプレスリリースでは、先程の湾岸戦争の例でも米軍がイラク軍による攻撃以上に最も深刻な被害を出した「同士討ち」対策についても触れており、個体識別タグを表示させるかまたは味方の車輌を模倣した信号を表示させるとしている。

BAE、「透明マント」開発を本格化へ
Camuflaje infrarrojo Adaptiv de BAE Systems

BAE Systems 2011/9/5

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