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米ビジネスウィーク誌 米軍の新制式拳銃選定に関する社説を掲載

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米ビジネスウィーク誌 米軍の新制式拳銃選定に関する社説を掲載
先日選定コンペ開催が予告された米軍の新制式拳銃「MHS(Modular Handgun System)プログラム」について、アメリカのビジネス誌「BusinessWeek」が、採用機種を予想する社説を掲載している。

社説ではアメリカのスミス&ウェッソン(S&W)社を筆頭候補として挙げている。同社のストライカー式拳銃「M&P」は「ミリタリー&ポリス」の名の通り警察・官公庁をターゲットとしており「メイド・イン・USA」というアピールポイントもある。

一方で複数の業界関係者はオーストリアのグロック社を有力な対抗馬として挙げている。グロック社は80年代になってから認知度の高まったメーカーで他の老舗メーカーと比べるとその歴史は浅い。しかし現場からの絶大な支持を受けており、各国軍でも制式採用が増えている。

現在のM9制式拳銃の製造元であるベレッタ社、M1911A1拳銃のコルト社は今のところ一歩出遅れている感がある。特にコルト社は今回のMHSプログラムが求めるスペックに合致する機種をラインアップしておらず影が薄い。

仕様において最も大きなファクターである「口径」についても議論がある。現行のM9拳銃に用いる9mmパラベラム弾は長く威力不足が指摘されており、おそらくより大きな口径のものが採用されるという見方が強い。

その場合9mm弾とM1911A1拳銃で用いられる.45ACP弾の中間的な性質をもつ.40S&W弾が最有力候補とされている。ただしアメリカでは.45ACP弾がその他の口径に対するベンチマークとして用いられる文化もあり、どの口径がベストなのかについては専門家の間でも議論が分かれるテーマだ。

不確定要素としてはグロック社の創業者とその元妻の間で発生した法廷闘争がある。離婚にともなう財産分与においてトラブルがあったようだが、グロック社の株式を巡って2者の交渉が難航した場合、アメリカ政府との取引に問題が発生する可能性がある。

今回の契約は軍用制式拳銃の体系を完全に入れ替えるものでありアメリカ軍全体で訳50万丁という膨大な量が調達される。その契約額はもちろん注目すべきだが、それに加えてアメリカ軍が今後の歩兵戦闘をどう捉えているかを占う点でも、重要なコンペになりそうだ。

Source: Will the Military Pistol Contract Return to American Hands? - Businessweek
Photo: Royal Marine with Glock 17 Sidearm / UK Ministry of Defence official Flickr
Image is for illustration purposes only.
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201412
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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