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元・情報将校が語る「CIA について誰もが勘違いしている事柄トップ10」

海外軍事 Comments(1)
元特殊部隊員などの退役軍人が運営する米軍のニュースを扱った情報サイト:SOFREP.COM に、『 Top 10 Things That Everyone Gets Wrong About the CIA ( CIA について誰もが勘違いしている事柄トップ10 )』と題した記事を掲載している。執筆を担当したのは、米海兵隊員と情報将校の経歴をもつ James Powel 記者である。尚、記事の内容については記者の個人的見解であり、政府の承認を得ていないとのこと。
1. CIA 職員/オフィサーを“エージェント”と呼ぶのは間違い
映画などでは、CIA に勤務する人を“スパイ”という意味で“エージェント( agent )”と呼称されることが一般的に浸透しているが、それは間違いである。確かに、CIA( 中央情報局:Central Intelligence Agency )は、対外諜報活動を行うアメリカ合衆国の情報機関であるが、そこで勤務する人は“職員”を意味する“オフィサー( officer )”である。また、スパイ要員をリクルートするCIA職員のことを、“エージェント”または“アセッツ( assets )”と呼称する。尚、FBI の場合は“捜査官”を意味する“エージェント”と呼称されるのは正しい。

2. 容疑者を逮捕できない
法執行機関に容疑者の情報を提供することは出来るが、CIA は法執行力を持っていないため、逮捕することが出来ない。

3. 米国民に対してスパイ活動をしない
歴史を振りかえると、米国民に対しスパイ活動をしていた“悪い時代”はあった。しかし、James Powel 記者が CIA の国内部門で働いていた暫くの間は、米国民に対してのスパイ活動は無く、海外で収拾された米国人の関与が疑われる犯罪情報は、FBI へその情報を引き渡していた。

4. CIA の活動は、常にカーチェイスと銃撃戦で終わるわけではない
然るべき形で任務を遂行していれば、現場での出来事が世間に知られることはない。極一部の例外を除き、深夜に忍び込んで寝首を掻いたり、爆薬を仕掛けることは無い。また、交戦地帯や敵対的な環境下でない限り、武器を運ぶことは無い。

5. 職員の誰もがアナリストではなく、アナリストが潜水艦を盗んで世界を救うこともない
映画「レッド·オクトーバーを追え! 」の主人公ジャック・ライアンのような人物に出会ったことはない。求められている“優秀なアナリスト”とは、自らが提出した膨大な情報をもう一度細部まで調査し直し、政策担当者に最高の助言が出来る人物である。ハリウッド作品で描かれているような、職員の誰もがアナリストであるのは間違い。

6. 職員の誰もがスパイではない
諜報活動を行うチームは、オペレーション・オフィサー(ケース・オフィサー)を中心とする、エージェント( アセッツ )、スパイ要員、アナリスト、セキュリティー担当、スタッフ・オペレーション・オフィサー、管理担当、その他職員らで構成されており、職員はそれぞれ専門の担当があり、皆が全てスパイと云うわけではない。

7. CIA 勤務は他言無用!?
死刑や懲役刑になったりはしないが、CIA に勤務していることを、だれかれ構わず触れ回ることは禁止されている。先ず、雇用申請の際に、採用担当者などから「口外しないことが最善である」とアドバイスを受ける。採用後は、信頼できる近親者に話すことを勧められる。そして、配偶者または内縁のパートナーがいる場合は、話すことを義務付けられる。また、全てが秘密という訳ではなく、文書審査委員会( Publication Review Board )によって権限を与えられた場合は、CIA 退職後、次の雇用主に履歴を明かすことが出来る。

8. 極秘任務のために“偽装用の配偶者と家族”を手配する?
James Powel 記者はこの件について妻に問われたが、「それは無い」と否定した。それをほのめかす様な軍事行動報告書を目にしたことは無い。しかし、可能性は否定できない。「もしもあるとしたら、それはロジスティクス(兵站:へいたん)とセキュリティの悪夢であろう。」と James Powel 記者は記している。

9. 超高給取りで、高級車を乗り回している?
世間と変わらぬ利益と支出の中で生活しており、決して裕福ではない。局内でポルシェやロレックスを目にすることは、非常に稀であった。

10. CIA は常に悪者であり、非情なロボットではない。
ハリウッドが CIA を描いた方法で最大の不満点は“悪者扱い”をされ“冷淡・冷徹・冷酷”であったこと。歴史を振りかえると、幾つかの悪質で恐ろしい事を行ってきたのは認めるが、James Powel 記者が嘗て共に働いた同僚達は、信じられないほど立派な人間であった。映画、書籍、テレビ番組での CIA の描かれ方は、彼らを悩ませていた。
記事の最後に、「私たちは家族を持ち、感情も持っている。CIA に勤務したことで友人や旧友などを失うこともあり、とても辛い。しかし、私たちは自分の仕事を全うし、プライベートの問題は後で対処するだけだ。」と記しており、CIA 職員の“世間の風当たりの強さ”と“職務に対するプライド”を伺わせている。

SOFREP.com 2015/06/24
Text: 弓削島一樹 - FM201507

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この記事へのコメント
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Posted by beaptafcvel | at 2021年11月27日 03:27
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