朝鮮戦争「長津湖の戦い」を描く短編アニメーション作品「Chosin: Baptized by Fire!」
朝鮮戦争の“長津湖の戦い”を題材にした短編アニメーション作品『Chosin : Baptized by Fire!』が、ニューヨークに拠点を置く退役軍人が運営するメディア制作会社 Veterans Expeditionary Media の Youtube 公式チャンネルで公開された。本作は、グラフィックノベル“Chosin : Hold the Line (includes Chosin : To the Sea)”をベースにした4分22秒の短編アニメーションである。
物語は“長津湖の戦い”に参戦した米第1海兵師団第7海兵連隊第2大隊フォックスカンパニーの実話に基づいており、郵便配達担当のビリー・フレンチ一等兵の視点で、熾烈を極めた戦闘の様子だけでなく海兵隊員たちの気概を描き出している。また、照明弾と共に襲来する敵兵士が、得体の知れないモンスターの様に描写された演出には目を見張るものがある。
物語は“長津湖の戦い”に参戦した米第1海兵師団第7海兵連隊第2大隊フォックスカンパニーの実話に基づいており、郵便配達担当のビリー・フレンチ一等兵の視点で、熾烈を極めた戦闘の様子だけでなく海兵隊員たちの気概を描き出している。また、照明弾と共に襲来する敵兵士が、得体の知れないモンスターの様に描写された演出には目を見張るものがある。
参考動画:CHOSIN: HOLD THE LINE graphic novel trailer 2014長津湖の戦い(Battle of Chosin Reservoir / Chosin Reservoir Campaign)とは、朝鮮半島北部に位置する咸鏡北道の長津湖周辺で1950年11月27日から12月13日までの17日間行われた戦闘のことである。
100年に1度の大寒波に見舞われマイナス40度となった酷寒の山中で、幅15フィートの峠を守ることなった国連軍(米海兵第1師団を中心とする米韓英の約1万7千人)は、中国人民志願軍(約12万人)に包囲される形で奇襲攻撃を受けた。酷寒の環境と圧倒的な敵の数に不利な状況であったが、国連軍は降伏することを拒否。僚機のナパーム弾による航空支援を受けつつ敵の包囲網を突破し約9万8千人の難民を逃しながら、後に史上最長の退却と言われる全長78マイル(約126Km)の後退を敢行した。
この戦闘は国連軍の敗戦という形で終わったが、中国人民志願軍の方がダメージが大きく、両軍合わせた死傷者数は推定で4万人以上となり、朝鮮戦争初期に行われた“仁川上陸作戦”と並ぶ大激戦となった。(注:両軍の参戦兵数/死傷者数は諸説あり、凡その数字を示しています。)
この戦闘でのエピソードのひとつとして、アジア系アメリカ人として初の米海兵隊将校となったチュー・イェン・リー(Kurt Chew-Een Lee)中尉の活躍がある。完全に包囲され進退窮まっていた友軍を救援するため、500人の部下を率いて中国人民志願軍への奇襲攻撃を成功させ、その奇跡とも言える救援作戦の功績を称えられ海軍十字章(Navy Cross)を受勲している。
またアメリカでは、この撤退の犠牲と勇気を称えて、映画「300 〈スリーハンドレッド〉」で描かれた“スパルタのテルモピュライの戦い”のような英雄的な偉業のひとつとして“長津湖の戦い”は語られるているようだ。
尚、本作は Veterans Expeditionary Media と共同で製作した映像制作会社:Hopr Studios の Vimeo 公式チャンネルで2014年6月に公開済みである。
Text: 弓削島一樹 - FM201512
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