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「スミス&ウェッソン製 M&P 9mm ピストルは偶発的な発砲事故が多い」ロサンゼルス保安官事務所が報告

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ロサンゼルス郡の保安官事務所 (LASD: Los Angeles County Sheriff’s Department) が、保安官代理による偶発的な発砲 (暴発) 事故の多さを報告した。新たに採用されたスミス&ウェッソン製 M&P 9mm ピストルを槍玉に挙げ、その仕様面での特徴と、安全に使いこなせていない現場の実態を明かしている。

M&P ピストルは、従来使用されてきたベレッタ 92F と比べてグリップが細く、セイフティーレバーが無いといった特徴を持つ。加えてトリガーを引く際に要する力 (感度) にも大きな違いを持ち、ベレッタ 92F が 11.5 ポンドほどのトリガープルに対して、M&P ピストルでは 6.5 ポンドと大きく低減されている。また、最近のピストル事情を反映し、タクティカルライトの取り付けを決めたことも、事故発生に拍車を掛けたようだ。

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ロサンゼルス郡の監察官 (OIG: Office of Inspector General) が 2014 年後半から始めた調査によると、M&P ピストルの配備が浸透するにつれて、明らかに事故が増えていると指摘している。それを裏付ける証拠として、ベレッタ 92F を使っていた年と、M&P ピストルに切り替わった年を比較したデータを挙げている。

2012 年では、3 件の事故発生に留まったのに対し、翌 2013 年では 9 件と増加。また、現場の保安官代理の手元に確実に M&P ピストルが浸透した 2014 年では、16 件の事故が発生しており、2012 年と比べて 500% 以上の増加率になったと報告している。

この結果について OIG では、訓練不足に加えて、銃を操作する際の基礎的な安全ルールを怠っており、レールに取り付けられたライトの点灯時に操作を誤っていることを指摘している。

LASD では 1992 年からベレッタ 92F を制式ピストルとしていた。2009 年になり、LASD は保安官のアカデミーでスミス&ウェッソンの訓練提供を開始。2011 年、LASD は新たな標準仕様のピストル採用を決めている。2013 年、ロサンゼルス郡は 5 年間で最大 20,000 挺の M&P 9mm ピストルの購入を決め、スミス&ウェッソン社との間で契約を交わした。また、それに合わせ、シュアファイ社との間で、最大 20,000 個のウェポンライトと、同じく 20,000 個のグリップスイッチ (DG グリップ) の購入契約に至っている。

OIG County of Los Angeles 2015/12/17

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