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米議員、SEAL 隊員の戦闘テクニック訓練に疑問。海軍特殊作戦司令部 (NSWC) 新トップの方針を不支持

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米議員、SEAL 隊員の戦闘テクニック訓練に疑問。海軍特殊作戦司令部 (NSWC) 新トップの方針を不支持
U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Scott Raegen/Released
軍務経験を持つ議員が、海軍特殊部隊 SEAL 隊員における戦闘テクニックの一部について「従来の方法よりも効果が薄れる方針を打ち出しているのではないか」と疑問を呈した。

米議員、SEAL 隊員の戦闘テクニック訓練に疑問。海軍特殊作戦司令部 (NSWC) 新トップの方針を不支持
Photo: Duncan Duane Hunter / U.S. Government
問題を提起しているのは、ダンカン・ハンター (Duncan Hunter) 下院議員。
先月、「多額の予算を投じているとされる我が軍の特殊部隊において、ライフルをはじめとした先進の個人装備が不足しているのはどういうことだ?」と議会に問い掛け、特殊作戦司令部 (SOCOM) トップのジョセフ・ヴォーテル (Joseph Votel) 長官と応酬した人物。ハンター議員は、海兵隊士官の経歴を持ち、下院軍事委員会のメンバーでもある。

関連記事:
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そして今回、ハンター議員はアシュトン・カーター国防長官宛に「SEAL の訓練から CQD (Close Quarters Defense) が廃止傾向にある」と懸念を示した文書を提出した。
米議員、SEAL 隊員の戦闘テクニック訓練に疑問。海軍特殊作戦司令部 (NSWC) 新トップの方針を不支持
Photo: Rear Admiral Tim Szymanski / U.S. Navy
背景にあるのは、今年 3 月に前任のブライアン・ロージー (Brian Losey) 准将に代わって海軍特殊作戦司令部 (NSWC: Naval Special Warfare Command) トップのポストに就くことを指名されたばかりのティモシー・シジィマンスキ (Timothy Szymanski) 次期長官の打ち出した方針にある。

米議員、SEAL 隊員の戦闘テクニック訓練に疑問。海軍特殊作戦司令部 (NSWC) 新トップの方針を不支持
Photo by Lance Cpl. Paul S. Martinez / MCAGCCTP-C
ハンター議員サイド曰く「シジィマンスキ長官は、CQD よりも混合格闘技 (MMA: Mixed Martial Arts) を選択する中心的人物だ」とし、長官の新ポストにおける適正についてまでも疑問を抱いているようだ。

また、提出された文書の中では、「MMA 用の訓練では SEAL 隊員 1 名に付き 2,900 ドル (=約 315,000 円) の費用が掛かるのに対して、CQD は僅かに 345 ドル (=約 38,000 円) だ」として、コスト面でも効率が悪いとする見解を示している。

なお、シジィマンスキ長官のプロフィールについて触れてみると、同長官はデラウェア州ウィルミントン出身で、海軍兵学校予備校 (NAPS: Naval Academy Preparatory School) で学び、1985 年に海軍兵学校を卒業。海軍に入隊後 SEAL 輸送潜水艇チーム 2 で指揮を執っている。そしてその後は、海軍特殊戦開発グループ (DevGru) で副司令官の重責を務めており、アフガニスタンでは特殊ボート部隊、SEAL チーム 2 の指揮を執っている。

また、アフガニスタンにおける特殊作戦の統合任務部隊 (JTF: Joint Task Force) や NATO では特殊作戦コンポーネント司令部 (NSOCC-A: NATO Special Operations Component Command-Afghanistan) での副司令官を経て、現在、ノースカロライナ州フォートブラッグの統合特殊作戦コマンド (JSOC: Joint Special Operations Command) で司令官補佐の要職に就いている。

Military.com 2016/04/06

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