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2016年4月、海軍は、兵士の刺青に関する規定を改定した。海軍内に、いわゆるミレニアム世代(1980年から2000年までに生まれた14-34歳の人々)が多数を占め、彼らの価値観にあった海軍を作るためである。正確な調査ではないが、海軍兵士のおよそ3分の1が何かしらの刺青を入れているそうである。

新しい規定では、首･腕･耳の後ろなど、衣類で隠すことが難しい箇所の刺青が許される。唯一禁止された部位は頭だけである。これは、海軍以外の軍(陸･空･海兵)の規定と比べると非常に寛容なものである。

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マイク・スティーヴンズ特務曹長(AW/NAC)によると、｢新しい海軍を真摯に考えた結果、わが国や海軍が求めているものを反映したすばらしい規定である｣そうである。同時に、｢近年の海軍は、新人の採用や新人を長続きさせるために必要な措置すべてを取らなければならない｣。

つまりこの新規定は、万年人手不足の海軍の実情を反映した規定であるともいえる。

U.S. Navy photo illustration by Mass Communication Specialist 2nd Class Lorenzo John Burleson/Released

この新規定は4月30日に施行され、水兵たちは以下のことが許可される。

●ヒジ･ヒザ下(手首･手のひらを含む)に、複数･大型の刺青を入れることできるようになる。半そでの制服の着用時に、それらの刺青が見えていても構わない。
●耳の後ろを含む、首部には1ヵ所だけ許される。大きさは、1インチ以下であること。
●外見から分かるような部位に刺青をしている兵士であっても、新兵募集業務や訓練･指導業務に従事することができる。刺青があることが実績の評価や昇進の障害になることはない。

このような刺青に対する新規定を、我々はどのように捉えるべきであろうか。今後、このような規定の改正や規定の拡大解釈などにより、刺青に、何か｢市民権｣のようなものを与えることにならないだろうか。

国民のこのような懸念に対し、軍の説明は以下のようなものである。

｢許容される刺青は、わいせつ・性的興奮を起こさせるもの、あるいは性別･人種･宗教･民族･国籍差別を主張･助長するような内容であってはならない｣、｢ギャング･至上主義者･過激派のシンボルマークや違法薬物の使用などを描いたものも禁止する｣、｢新規定は、禁止された内容を含む刺青を許可するものではない｣。

新たな刺青規定は、海兵隊には適用されない。例え、海軍に出向している場合であってもである。ちなみに海兵隊も数年前に刺青に関する規定を改定しているが、半そでの制服を着用している際に見えるものは許可されていない。

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筆者注
｢欧米では刺青が許容されている｣という認識が日本にありますが、そんなことはありません。刺青を入れるのは、チンピラや水商売などをする、誤解を恐れずに言えば、下流域に住む人々であり、ある一定の立場や生活水準にいる人は絶対に刺青など入れませんし、刺青に対する社会的な評価は日本とあまり変わりません。
もちろん、若いころにギャングや反社会的組織に身を置いて刺青を入れたものの、その後、改心して弁護士や医師、聖職者などのハイソサエティな仕事をしている人もいますが、彼らは例外中の例外です。

Text: 友清仁 - FM201605