「HOMEFRONT the Revolution」レビュー

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概要
現地のレジスタンスによる抵抗活動は占領軍にとって頭の痛い問題だ。直接的な攻撃はもちろん、情報を盗み出したり、あるいは工場に浸透して生産能力を落としたり、その活躍は戦争史の色々なところに現れる。「HOMEFRONT the Revolution」は、このレジスタンスとして戦うゲームとなる。

プレイヤーはレジスタンスの闘士、イーサン・ブレイディ。18世紀後半のアメリカ独立戦争の中心となったアメリカ東部のフィラデルフィア市を舞台に、大朝鮮連邦と戦うことになる。

「ロッキー」の舞台としても知られるフィラデルフィア。独立戦争当時の建物も数多く現存し、作品のテーマにとって象徴的な町である。
「HOMEFRONT the Revolution」レビュー

敵は、圧倒的な先端技術を武器とする大朝鮮連邦(KPA)。高性能だがセキュリティに穴のある電子機器で市場を席巻した彼らは、その脆弱性をついてアメリカ社会を大混乱に陥れ、どさくさに紛れて占領軍を上陸させてしまった。目下アメリカはKPAの監視下にあり市民の自由な行動は大きく制限されているため、プレイヤーはその目をかいくぐって抵抗活動を繰り広げなければならない。

「HOMEFRONT the Revolution」のストーリーを紹介する予告編動画。アジア圏の何カ国かのイメージを混ぜた架空の北朝鮮、という感じである。
PS4/Xbox One HOMEFRONT the Revolution アメリカ陥落 - YouTube

前作「HOMEFRONT」では脚本を手掛けたジョン・ミリアス(映画監督・脚本家)の「若き勇者たち(1984)」とそのリメイク「レッド・ドーン(2012)」と同じく、ロッキー山脈のふもと、コロラド州が舞台となっていた。しかし前作と今作は「KPAへの抵抗活動」以上のつながりはないようで、舞台も設定も違うものとなっているようだ。
ゲームシステム

「ミッションクリア」式の「オープンワールド」システム
ゲームシステムも前作と比べるとかなり違ったものになる。前作では、ストーリーをそのままなぞっていく1本道(リニア)なFPSであった。しかし今回は同じくFPSであるが広大なマップを自由に動き回り、自分の好みでミッションを達成していくという「オープンワールド」スタイルのものとなっている。与えられる「ミッション」をこなしていけば、クリアに至る最低限のストーリーラインを体験することはできる。しかしそれ以外の行動は自由である。最短距離でストーリーを追いかけるもよし、敵拠点をじっくりと落としながら楽しむのもいい。いずれにしてもプレイ時間はかなり長いものになる。

マップによる抵抗活動の違い
こうしたゲームでは、ひたすら戦闘を繰り返すことになるが、このやり方はマップによっていくつかの種類がある。フィラデルフィア市街は検問と防御壁で1辺1~2kmほどの細かい地区に区切られている。地区にはKPAの支配力が強いところと弱いところがある。グリーンゾーンは占領軍司令部や暫定政府が置かれている地区、レッドゾーンはKPAの軍事施設があり、市民の立ち入りが禁止されている地区、そしてイエローゾーンは、KPAが厳戒態勢をしき、市民を徹底的に監視している地区である。

ゾーンごとの雰囲気を伝える予告編動画
Homefront: The Revolution 'Hearts and Minds 101' (Official) [US] - YouTube

各レッドゾーンは、重要施設を警護していたりするKPAとのゲリラ戦が廃墟のあちこちで行われている。このゾーンではレジスタンスの支配力をより強めるべく、敵基地をつぶしていくのが主な目的だ。単独で通信設備に忍び込んでコンピューターをハックしてもよいし、AIが操作するレジスタンスを引き連れて強襲をしかけてもよい。目的を達成するための方法はプレイヤーの想像力と腕前に任されている。

レッドゾーンではパトロール部隊や警備兵と激しい戦いになることもある。長引けばドローンや回遊する監視飛行艇にスキャンされ、どんどん増援を呼ばれてしまうため一撃離脱を徹底しなければならない。
「HOMEFRONT the Revolution」レビュー


イエローゾーンではKPAの勢力が強い。彼らは犯罪者たるレジスタンスが紛れ込んでいないか目を光らせており、発見された場合は追跡されるため、いわゆるステルスアクションを楽しめるゾーンだ。

警備兵の視覚に入らぬよう動くことが求められるイエローゾーン。市民に紛れて行動しなければすぐに警戒されてしまう。
「HOMEFRONT the Revolution」レビュー

KPAの支配を受け入れつつある市民の人心を掌握することで抵抗活動を盛り上げていくのがイエローゾーンでの戦いである。警備兵や警備ドローン、自動警備カーなどがあちこちにいる中、見つからないように動き続けなければならない。武器を使うことはできるが、騒ぎにならないようにサイレンサーをつけた拳銃やナイフを用い、一撃を加えたら即その場から離れなければならない。

街を歩きまわっていると、時折このように市民が取り調べられていたり、家宅捜索を行っているシーンに出くわす。ここでうまくKPAの兵士をおびき出し、市民を解放できると「心情」パラメーターを上昇させることができる。これを繰り返してゾーンの解放を目指す。
「HOMEFRONT the Revolution」レビュー

ちなみにミッションの管理やマップの確認はアイテムのスマートフォンから随時行える。広すぎて迷ってしまうことはないし、簡易的なナビ機能もあるので余計な心配をせずに楽しむことができる。

豊富な銃器・装備
主人公の肉体的な能力は変化しないが、そのかわり銃をカスタムしたり、ブーツや防弾ベストなどを購入したりすることで戦闘力を高めることは可能だ。特に銃器についてはカスタムで性能を強化させるだけではなく、様々なアタッチメントによって性質を変化させることができる。例えば建物の上から味方を援護する時はスコープで遠距離射撃仕様に、そしてあらかた片付いたところで残敵を掃討したくなったらホロサイトにつけかえて接近戦仕様にするといったことができる。プレイヤーの戦略に合わせたカスタマイズが可能だ。

ガジェットの中にはラジコンカー爆弾などユニークなものがある。離れたところで動作させて敵の気を引き、その隙に侵入したりなど、使い方も自由自在である。その他、こちらの予告編にある通り様々なアイテムが登場する。
PS4/Xbox One HOMEFRONT the Revolution ゲリラ戦術101トレーラー - YouTube


「レジスタンス活動」を目一杯楽しむことができるゲーム
人心を掌握するために街で取り調べにあっている人を救出したり、表玄関で騒ぎを起こしたあと裏口からこっそり忍び込んで施設を制圧したりなど、ゲームプレイのやり方は実に多様で自由なものになっている。軍の一員として正面切って敵と戦う、という正統派なストーリーが一本道で展開するゲームに慣れている人ほど、この多彩さには驚くことになるだろう。

そしてこれらの活動が成功し、レジスタンスの影響力が強まるにつれ街の様子が変わっていく。例えばKPAに反対するデモの声が聞こえてくるようになったり、市街のグラフィティに反KPA的なスローガンが書かれるようになったりする。それとともにKPAの宣伝放送やパトロールは鳴りをひそめていく。

当初はKPAを恐れていたものの、KPAの勢力が衰えるにつれ次第に暴徒と化すフィラデルフィア市民。ビジュアルだけでなく聞こえてくる市民の会話も強気なものになっていく。
「HOMEFRONT the Revolution」レビュー

こうした風景や環境の変化はオープンワールド式ならではのものだ。「HOMEFRONT the Revolution」はまさしく、市民の中に隠れた「レジスタンス」の活動を体感できるゲームである。

HOMEFRONT the Revolution 公式サイト
http://www.spike-chunsoft.co.jp/hfr/

HOMEFRONT the Revolution
プラットフォーム:PlayStation®4 / Xbox One
発売予定日:2016年5月19日
ジャンル:オープンワールドFPS
CERO:D(17歳以上推奨)
希望小売価格:(パッケージ版)7,980円+税、(ダウンロード版)7,200円+税
プレイヤー人数:1人(オンライン2-4人)
販売元:株式会社スパイク・チュンソフト
発売元:株式会社スパイク・チュンソフト
開発元:Deep Silver Dambuster
© 2016 and published by Deep Silver, a division of Koch Media, Austria. Developed by Deep Silver DambusterStudios. Homefront, Deep Silver and their respective logos are trademarks of Koch Media GmbH. Portions of this software are included under license © 2004-2016 CrytekGmbH. All rights reserved. Crytek, CryEngineand their respective logos are trademarks of CrytekGroup. Uses BinkVideo. Copyright ©1997-2016 by RAD Game Tools, Inc. All other trademarks, logos and copyrights are property of their respective owners. All rights reserved. Licensed to and published in Japan by Spike Chunsoft Co., Ltd.

Text: Chaka (@dna_chaka)

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