アーノルド・シュワルツネッガー主演、DEA 映画「サボタージュ」作品紹介

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アーノルド・シュワルツネッガー主演、DEA 映画「サボタージュ」作品紹介
アメリカの麻薬戦争で数々の功績をあげ、精鋭でありながら超クセ者揃いの部下達から親父のように慕われる DEA 特殊部隊の隊長・ブリーチャー (破壊屋) ことジョン・ウォートン(アーノルド・シュワルツネッガー) 。

ある日、DEA 本部主導の下、麻薬カルテルのアジトに隠された 2 億ドルもの裏金をターゲットにした強制捜査の令が下される。ジョンは部下を率いてアジトの急襲を指揮。作戦の中で殉職者を出すものの、麻薬カルテルの巨額のカネの押収に成功したジョンたちチームだったが、押収したこの「いわくつき」のカネを巡り、その後チームメンバーは一人、また一人と猟奇的な殺人事件のターゲットとして狩り込まれていく―。
麻薬カルテルの報復か?またはチーム内の陰謀?もしくは??・・・。チーム内に広がる不安と疑心暗鬼の目。徐々に明かされていくブリーチャーの過去。エリート DEA チームを巡って繰り広げられるサスペンス・アクション作品となっている。
映画「サボタージュ」公式サイト
http://www.sabotage-movie.jp/

TOHO シネマズみゆき座ほか 11 月・全国ロードショー
https://twitter.com/sabotage_jp
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アーノルド・シュワルツネッガー主演、DEA 映画「サボタージュ」作品紹介
主演:アーノルド・シュワルツェネッガー
カリフォルニア州知事を退職後も様々なアクション映画に出演し続けるアーノルド・シュワルツェネッガーが、今までの彼とは一味違ったアンチヒーロー像ともとれる、五分刈りヘアーと首もとの刺青、何処と無く冷めた目と影のある雰囲気のキャラで臨んだ作品が本作である。新しいシュワルツェネッガーを演出できることに監督は素晴らしいチャンスだと脚本執筆前に思ったそうだ。
『エンド・オブ・ウォッチ』を観て以来、監督の作品スタイルを気に入り一緒に仕事することを切望していたシュワルツェネッガーは、キャラ設定など全てを監督に一任し、主人公ブリーチャーは誕生することとなった。
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スタッフ
監督・共同脚本を務めるデヴィッド・エアー (David Ayer) は、17 歳でアメリカ海軍に入隊し潜水艦乗組員として勤務。除隊後に潜水艦を舞台とした戦争映画『U-571』の脚本チームの一人として脚本家デビュー。その後、主演のデンゼル・ワシントンがアカデミー主演男優賞を受賞したサスペンスアクション映画『トレーニングデイ』、ポール・ウォーカーとヴィン・ディーゼル出演のカーアクション映画『ワイルド・スピード』、カート・ラッセル主演のサスペンスアクション映画『ダーク・スティール』、サミュエル・L・ジャクソン / コリン・ファレル / ミシェル・ロドリゲス / ジェレミー・レナーなどがロス市警 SWAT 隊員を演じたアクション映画『S.W.A.T.』の脚本を手掛け、2005 年にクリスチャン・ベール主演 (アフガニスタンから帰還した元特殊部隊員ジム役) の犯罪映画『バッド・タイム』で映画監督デビューを果たす。

2012 年に監督・脚本・製作を務めた『エンド・オブ・ウォッチ』は、登場人物たちが手にするカメラ映像をメインに物語が進行するファウンド・フッテージ形式(ドキュメンタリー風表現手法の一種)を採用しており、インディペンデント・スピリット賞やMTVムービー・アワードなどのノミネート作品である。主演のジェイク・ジレンホールとマイケル・ペーニャは警官の役作りのために5ヶ月間の訓練を受けている。
アクション系の作品を得意としており痛ましい描写やシーンが多い傾向にある。『サボタージュ』完成後に製作されたブラッド・ピット主演の戦争映画『Fury』の公開も控えている。

製作・共同脚本を務めたスキップ・ウッズ(Skip Woods)は、『ソードフィッシュ』『ヒットマン』『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』『G.I.ジョー』『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』『ダイ・ハード/ラスト・デイ』などのアクション系作品を過去に手掛けている。『ダイ・ハード/ラスト・デイ』では製作総指揮も務めている。

撮影監督はブルース・マックリーリー(Bruce McCleery)。1980年代半ばから数多くの映画・TV作品の照明係を務めた後、2008年に映画『Reservations』で初撮影監督を務めた。最近では『アメイジング・スパイダーマン2』『スター・トレック イントゥ・ダークネス』『世界侵略: ロサンゼルス決戦』など、セカンドユニットの撮影監督として活躍している。
美術を担当したデヴォラ・ハーバードはTV作品を中心に活躍しているが『エンド・オブ・ウォッチ』でもデヴィッド・エアー監督とタッグを組んでいる。

音楽担当のデヴィッド・サーディは1990年代前後にシンガーソングライター(ギターリスト)として活動した後に映画音楽へと進んだ経歴をもつ。『エンド・オブ・ウォッチ』でも音楽を担当している。
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大ベストセラー小説『そして誰もいなくなった』---
本作は、世界中のミステリーマニアを虜にさせたアガサ・クリスティの長編推理小説『そして誰もいなくなった』をベースにしている点に注目。『そして誰もいなくなった』は、「イギリスの孤島に招かれた十人の男女が島から出られなくなり、ひとりずつ殺されていくというクローズド・サークル(Closed circle:何らかの事情で外界との往来が断たれた状況、もしくはそうした状況下でおこる事件を扱ったミステリー作品)の代表的作品であると共に、童謡殺人(見立て殺人:あるものに見立てて事件が装飾された殺人)の代表的作品でもある。
全世界で1億部以上を売り上げ、その評価はアガサ・クリスティ作品の中でも特に高く代表作として挙げられている。
作者自身により戯曲化されており、幾度も舞台や映画、TVドラマとして作品化されている。その中でもルネ・クレール監督が手掛けた1945年の映画は有名である。
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DEA とは
DEA (アメリカ麻薬取締局 : Drug Enforcement Administration)はアメリカ合衆国司法省の法執行機関。1970年規制物質法の執行を職務とする連邦捜査機関。FBI(連邦捜査局 : Federal Bureau of Investigation)との競合管轄権を有するがDEAは連邦麻薬法の国内施行に関する主導機関であり、国外におけるアメリカの麻薬捜査の調査・追跡に関する単独責任を有している。
DEAが登場する映画は、『レオン』ゲイリー・オールドマン演じるノーマン・スタンスフィールドがDEA所属。レオンがマチルダをDEAオフィスへ救いに行くシーンがある、『テキーラ・サンライズ』、『バッドボーイズ2バッド』ガブリエル・ユニオン演じるシドがDEA捜査官、『007 消されたライセンス』、『死の標的』、『アメリカン・ギャングスター』DEA創立当初のDEA捜査官リッチー・ロバーツをラッセル・クロウが演じている、『ソードフィッシュ』ハル・ベリー演じるジンジャーがDEA捜査官、『ハンニバル』、『2ガンズ』デンゼル・ワシントン演じるボビー・トレンチがDEA捜査官、などが挙げられる。
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リアリティーの拘り
ロケ地になったのはジョージア州アトランタ。プロット段階でのオープニングシーンはスラム街をベースにロケを予定していたが、ロケハンで現地に訪れた際に高所得者層が住む郊外で実際に行われていた麻薬絡みの強制捜査にヒントを得て、プランを変更したと監督は語っている。また地元警察の協力で本部刑事課のオフィスをロケで使ったり、本物の警察官が多数エキストラとして出演しているようだ。これらもリアリティーの拘りの表れである。

ロケ地と同様に作品のリアリティーやディテールを増すために欠かせないのが本作のガンアクションシーンである。監督は出演俳優たちに事前訓練を受けることを指示し、ロス市警に14年勤務しその内3年半をおとり捜査官として従事した経歴をもつハイメ・フィッツシモンズがスタントコーディネーターとして参加しその手腕を発揮している。彼は撮影開始前の数ヶ月間、俳優たちの準備と訓練を担当、撮影現場でも日々技術指導にあたった。『エンド・オブ・ウォッチ』にも参加しており、監督からの信頼の厚さが覗える。

訓練はSWATチームの立会いのもとで、リボルバー、マシンガン、サブマシンガン、ショットガン等などありとあらゆる銃器の取り扱い方法から、CQBなどのタクティカルトレーニングや武術の指導が行われた。
さらに、DEA特殊部隊メンバーキャストのケビン・ヴァイスは軍事コンサルタントを担当し、マーク・シュレーゲルはテクニカルアドバイザーを担当している。彼らの経歴は明らかにされていないが銃の扱いに慣れた人物をメインにキャスティングすることで“特殊部隊の動き”に厚みを持たせる狙いがあったと思われる。このような手法は近年よくみられ、例えばマット・デイモン主演『グリーンゾーン』やブルース・ウィリス主演『ティアーズ・オブ・ザ・サン』では帰還兵や退役軍人がメインどころにキャスティングされている。

数週間や数ヶ月の訓練で身に付けるには難しい所作や動作を、主人公たちの周りでディテール的にフォローする意味は大きい。また、本番撮影中にキャストを兼ねるアドバイザーが近くにいることは不慣れな俳優たちにとっては心強い存在でだろう。
劇中にはCQBを行うシーンが数回あるが、シナリオやキャラ設定的な観点で観ると訓練の成果が出ており「Target!」「Clear!」の掛け声が気持ちよく響き、それらしい動きとコンビネーションを披露している。ハンディーカメラでメンバーの後を追うように進むアングルも臨場感がありツボを押さえている。ルームクリアリングに関しては疑問が残るが、映画の演出上仕方がないのでだろう。

何よりも驚いたのがアーノルド・シュワルツネッガーがフィンガーセフティを行っていたことである(笑)
DEA特殊部隊の武器はM4、SCAR、MP5、グロック、などを使用しており、使いまわしではない担当毎に決められた銃を使用している。グロックのチャンバーチェックをするシーンなど、銃の扱い方に対する疑問や不自然さは感じなかった。

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キャスティングの妙
先ほど触れたキャストを兼ねたアドバイザーの他にも、この作品で見所となるのは何といっても二人の女性キャスト、破天荒でぶっ飛びキャラのリジー(ミレイユ・イーノス)と仕事を真面目にこなすタフで堅実派のキャロライン(オリヴィア・ウィリアムズ)の存在感である。リジーは特殊部隊の紅一点でありながらその男勝りでアグレッシブな性格と格闘センスで157cmという小柄ながらも抜群の存在感を見せ付ける。オーディションで監督が惚れ込んだのも頷ける。対するキャロラインはクールで仕事に対する実直さと強い信念を感じさせつつも、女性らしい弱い部分も見え隠れする。この対照的なキャラ二人を違う立ち位置で配置することで、この作品の世界観がぐっと広がっている。彼女らと接するブリーチャーの態度や扱い方の違いにも、ブリーチャーの人物ディテールに深みを与えている。

キャスト
○ブリーチャー:
アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)言わずと知れたアクションスターの代名詞的ベテラン俳優。

○モンスター:
サム・ワーシントン(Sam Worthington)『ターミネーター4』の準主役マーカス・ライトを演じ『アバター』の主人公ジェイク役で名を馳せた。その後は『タイタンの戦い』『タイタンの逆襲』に出演するなど肉体派俳優のイメージが強くなってきている。

○リジー :
ミレイユ・イーノス(Mireille Enos)TVドラマを中心活躍し『THE KILLING 〜闇に眠る美少女』サラ役で人気が定着した演技派女優。2005年にはトニー賞候補になっている。『L.A. ギャング ストーリー』のコニー役や『ワールド・ウォーZ』のカレン役など最近は映画作品への出演が増えてきている。

○シュガー:
テレンス・ハワード(Terrence Howard)『クラッシュ』『Ray/レイ』『ハッスル&フロウ』『アイアンマン』など数多くの映画作品に出演。ブラック・リール・アワード助演男優賞受賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー ブレイクスルー男優賞受賞、BETアワード男優賞受賞、ブラック・リール・アワード 主演男優賞受賞、アカデミー賞ノミネートなど超実力派俳優。

○グラインダー:
ジョー・マンガニエロ (Joseph Manganiello)『トゥルーブラッド』などのTVドラマを中心活躍。『エネミー・ライン3 激戦コロンビア』ではシールズ隊員役として主演

○バイロ:
マックス・マーティーニ(Max Martini)TVドラマを中心に活躍しており『ザ・ユニット米軍極秘部隊』シリーズのマック・ゲルハルト役で有名になった軍人顔役者。映画『キャプテン・フィリップス』ではシールズ隊長役を務めた。『プライベート・ライアン』や『パシフィック・リム』にも出演している。

○ネック:
ジョシュ・ホロウェイ(Josh Holloway)TVドラマ『LOST』のジョシュ・ホロウェイ役が有名。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』にはトレヴァー・ハナウェイ役として出演。

○トライポッド:
ケビン・ヴァイス(Kevin Vance)『エンド・オブ・ウォッチ』では主人公たちを制止するICE(移民税関捜査局:Immigration and Customs Enforcement)捜査官役で映画初出演。本作では俳優と兼ねて軍事コンサルタントを担当。『Fury』にも出演する。

○スモーク:
マーク・シュレーゲル(Mark Schlegel)『エンド・オブ・ウォッチ』ではテクニカルアドバイザーとして参加。俳優としてのクレジットは本作が初となる。

○キャロライン刑事:
オリヴィア・ウィリアムズ(Olivia Williams)『シックス・センス』『X-MEN:ファイナル ディシジョン』『17歳の肖像』などハリウッドとイギリスで数多く映画に出演。『ゴーストライター』では全米映画批評家協会賞助演女優賞を受賞している演技派女優。

○ジャクソン刑事:
ハロルド・ペリノー(Harold Perrineau)TVドラマ『LOST』のマイケル・ドーソン役が有名。『28週後...』『ゼロ・ダーク・サーティ』などTVドラマ・映画を問わず数多くの作品に出演する名脇役。ゾンビ・ドラマ新シリーズ「Z ネーション」では主演を務める。


アーノルド・シュワルツネッガーの今までのイメージを打ち破る「完全無欠」では無い、人間味を感じさせる「影」のあるキャラクターで臨んだ本作は、長い役者生活においてターニングポイントとなりえる野心作であることは間違いなさそうだ。リアリティーを重視した激しい銃撃戦はもちろんのこと、個性的なキャラクターたちが物語を引っ張るのは観ていて楽しいものだ。物語には大きな伏線も準備されており、これもサスペンス映画の醍醐味といえる。

『サボタージュ』は TOHO シネマズみゆき座ほかで 11 月・全国ロードショー
映画「サボタージュ」公式サイト
http://www.sabotage-movie.jp/

TOHO シネマズみゆき座ほか 11 月・全国ロードショー
https://twitter.com/sabotage_jp
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Text: 弓削島一樹
© 2013 DEA Productions, LLC All Rights Reserved.

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