米陸軍が「XM25」遮蔽標的対処交戦システム計画のオービタルATKとの契約を打ち切りに
米陸軍の「XM25」遮蔽標的対処交戦(CDTE: Counter Defilade Target Engagement)システムの計画が潰えていたことが明らかとなった。
U.S. Army photo by Staff Sgt. Steve Cortez/ Released
米国の大手軍事情報サイトであるミリタリードットコムの記者、マシュー・コックス(Matthew Cox)氏が取材活動の中で、「陸軍は、契約条件で指定していた製品20挺の納品が成されていなかったことを理由に、オービタル(Orbital)ATKとの契約を4月5日の時点で終了していた」と明かしている。
XM25の計画が暗礁に乗り上げていた経緯については既報の通り、ロイター通信が今年2月に、オービタルATK社が、同計画の参画事業者でもあるヘッケラーアンドコッホ(Heckler & Koch)社を相手取り、「20種類におよぶ追加試作モデルの提供をしなかったことが原因で、米軍との契約を切られる憂き目に遭った」として、2,700万ドル(=約30億4,000万円)を超える損害賠償を求めた訴訟を起こしたことを報じている。
一方のH&K側は、1868年の「サンクトペテルブルグ宣言」(St. Petersburg Declaration of 1868)を根拠として、「到達し難い場所に隠れている敵や、壁の向こうで守られている敵を狙い撃つ」という、XM25の特性自体がそもそも「戦時国際法」に抵触しているとして開発の継続に難色を示していたとされる。
関連記事:
⇒米陸軍の「XM25」計画でオービタルATKとH&K社が対立。計画が暗礁に乗り上げた内情が明らかに
一方のH&K側は、1868年の「サンクトペテルブルグ宣言」(St. Petersburg Declaration of 1868)を根拠として、「到達し難い場所に隠れている敵や、壁の向こうで守られている敵を狙い撃つ」という、XM25の特性自体がそもそも「戦時国際法」に抵触しているとして開発の継続に難色を示していたとされる。
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個人携行用のセミオートマチック式空中炸裂システムであるXM25 CDTEシステムは、「パニッシャー(Punisher)」の愛称で知られ、目標捕捉(target acquisition)システムにその特徴を持つ。ボタンを押下することでターゲットとの距離が測定され、そのデータが25mm弾に組み込まれた電子起爆装置に送信され、600メートル以上離れた敵ターゲットに対して炸裂攻撃を仕掛けることができる。離れた遮蔽物の裏側に潜む敵を、発射された擲弾の空中炸裂によって削ぐことから、その絶大な威力に期待が寄せられてきた。
Photo by Tech. Sgt. Matt Hecht
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