朝鮮戦争初期に行われた仁川上陸作戦を描いた韓国発の戦争映画『オペレーション・クロマイト』（英題：「OPERATION CHROMITE」）が、9 月 23 日よりシネマート新宿 / シネマート心斎橋を皮切りに全国で順次公開される。韓流トップスターのイ・ジョンジェが主演を務め、「96 時間」シリーズのリーアム・ニーソンがダグラス・マッカーサー陸軍元帥を演じている。韓国での観客動員数が 700 万人超えた大ヒット作である。

Photo from U.S. Doctrine Networked Education & Training (DOCNET)

仁川上陸作戦は、韓国ソウルを占領していた朝鮮人民軍の補給路を断つため、1950 年 9 月 15 日に国連軍が実施したソウル西方の仁川（インチョン）への上陸作戦である。作戦コードネームを「クロマイト作戦（Operation Chromite）」と呼称した。

国連軍司令官ダグラス・マッカーサーによって立案された本作戦は、上陸地点の地形、投入する兵員数、兵員の配置換え、船舶の手配、といった問題が多くあり成功する可能性が非常に低いため、統合参謀本部議長、海軍作戦部長、陸軍参謀総長らが強く反対したが、マッカーサーは作戦を強行した。

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作戦には、米海軍第7艦隊（空母 6 隻も含む）を中心とした、韓国、イギリス、フランス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、オランダなどの艦艇 200 隻以上が参加し、上陸部隊（米海兵隊第 1 海兵師団、米陸軍第 7 歩兵師団、韓国第 17 歩兵連隊戦闘団）の支援を行った。国連軍側は約 3000 人の死傷者を出したが、仁川上陸とソウル奪還に成功した。作戦開始前には、韓国軍と米軍が仁川地区に諜報部隊を送り込み、情報収集を行っていた。本作は、この事実を基に脚本が執筆されたとのこと。

物語は ―― 1950 年、朝鮮人民軍はソウルを陥落させ朝鮮半島の大半を支配していた。国連軍司令官ダグラス・マッカーサーは戦局を打開するため、無謀と大反発されながら仁川上陸作戦を決行する。北朝鮮軍に潜入していたチャン・ハスク大尉率いる精鋭諜報部隊は、国連軍上陸部隊を仁川へ導くため極秘行動を開始する…。

監督は、日本でもヒットした恋愛映画「私の頭の中の消しゴム」でメガホンをとったイ・ジェハン。2011 年に公開された「戦火の中へ」でも朝鮮戦争を描いている。本作では脚本も手掛けている。出演は、イ・ジョンジェ、イ・ボムス、リーアム・ニーソン、チン・セヨン、チョン・ジュノ、総合格闘家の秋山成勲など。

『オペレーション・クロマイト』公式サイト：
http://pacific-war-movie.com/operationchromite/

Text: 弓削島一樹 - FM201709