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「欧州の銃器メーカーがメキシコの麻薬戦争で静かに武器を供給している」-VICE報道

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「欧州の銃器メーカーがメキシコの麻薬戦争で静かに武器を供給している」-VICE報道
カナダに拠点を置く米国のデジタルメディア「ヴァイス(VICE)」が、「欧州の銃器製造事業者がメキシコの麻薬戦争に対して静かに武器を供給している」とセンセーショナルな見出しと共に掲載した。

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2019年10月17日、メキシコ国境警備隊と警察要員は、シナロア州都のクリアカンを舞台に、麻薬王「シナロア・カルテル」リーダー、「エル・チャポ」こと「ホアキン・グスマン」被告(62歳)の息子、オビディオ・グスマン(Ovidio Guzman)容疑者(28歳)の捕縛ミッションを実施。しかしながら、カルテル側の保有する高キャリバーの火器による反撃を受け、作戦は失敗を余儀なくされている。


悪名高いメキシコ麻薬組織の中でも最凶とされる同組織は、この地を主要拠点としたことから名づけられており、この時にカルテル側が投入していたのは、米国バレット製の50口径対物スナイパーライフルとトラックに兵装したM2重機関銃。8名が死亡し、20名以上が負傷している。

VICEによると、「麻薬戦争を焚きつけるため、米国から流出する火器は35,000名の生命を奪ったこととの関連を持つが、これは全体像の一部に過ぎない」とし、ARES社の調査レポートを引き合いに、欧州の著名な銃器メーカーから流れ着いていることを指摘している。

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メキシコ国防省(SEDENA)は、「2018年、過去5年間で5,000挺の銃器が警察によって紛失または盗まれた」「過去10年間で国内に密輸された推計200万挺の銃器のおよそ1/3が欧州から来た」としている。またVICEは、「欧州から米国へ輸出許可と共にライセンス販売される中で、仲介業者の転売によって年間20万挺が南方ルートを辿る」としている。

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メキシコ麻薬戦争:
2006年12月、当時大統領に就任したフェリペ・カルデロンの下、それまで麻薬密売組織に対して受動的だった政策が一変。同大統領は麻薬密売組織に対する強硬な一掃政策を推し進めた。政策の実行から8年が過ぎ、これまでに麻薬戦争関連での死者は10万人以上にもなると推計されている。

「戦争」の火種となった、麻薬原料のケシがメキシコへ持ち込まれたのは1860年代。当時英国によってアヘン漬けにされた中国の移民が南米へ持ち込んだのが起源とされている。その後、近隣の米国へ不法に持ち込み、売りさばく「密輸」が一大ビジネスとなっている。

そうした中で「カルテル」と呼ばれる麻薬関連の不法組織が蔓延り、組織間での縄張り争いや抗争が激化。巻き込まれる犠牲者も急増することになる。そしてその潤沢な資金を背景に、公権力の買収、残忍な手口と暴力を使うことによって社会を封じ込めするなど、その影響力は隅々に渡ることになる。

いずれのカルテルも、近隣で武器大国である米国から大量の武器を密輸している他、カルテルの武装要員にはメキシコ軍で特殊部隊を経験したメンバーが多数含まれていると言われている。

数年前に勢力を誇っていた7つの麻薬カルテルは、その後の統合や分裂、衰退などの淘汰が進み、現在は「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」と「ハリスコ新世代カルテル(CJNG: Jalisco New Generation Drug Cartel(略称はスペイン語の頭文字に由来)」の2大勢力に集約されている。

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Source: European Gun Makers Are Quietly Supplying the Mexican Drug Wars, Cartel "Narco Tanks," Heavy Weapons On Full Display During Battle Over El Chapo's Son

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