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マルコム・ターンブル豪首相がフィリピンへの「特殊部隊」派遣報道を否定

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Photo from Australian Government Department of Defense
This photo is for illustration purposes only.
ジュリー・ビショップ(Julie Bishop)豪外相がロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)比大統領に対して、ミンダナオ島マラウィの奪還支援のために特殊部隊の派遣を申し出たと報道されたが、マルコム・ターンブル(Malcolm Turnbull)豪首相が報道内容を否定したと、英ガーディアン紙が報じている。

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ターンブル首相は「キャパシティ・ビルディング(途上国の能力構築)を支援する準備は整っているが、ABC(オーストラリア放送協会:Australian Broadcasting Corporation)による特殊部隊派遣に関する報道は事実ではない。」と述べている。既にオーストラリア政府は、フィリピン軍を支援するため空軍の哨戒機 P-3 オライオンを派遣し監視と情報収集の任に充てているが、ビショップ豪外相は「フィリピン政府から更なる支援の申し出はあったが、我々はフィリピンを支援する唯一の国ではない」と述べている。

ミンダナオ島マラウィを武力制圧したダーイシュ(Daesh, IS, Islamic State, ISIL, ISIS)系組織「マウテ(Maute group)」の活動について、オーストラリアの情報セキュリティの専門家たちは関心を強めており、「ダーイシュは、マラウィを東南アジアでの活動拠点にするのでは?」と懸念している。

オーストラリア国立大学の南東アジア研究所 / 戦略防衛研究センターのジョン・ブラックスランド氏は、「オーストラリア政府のフィリピンへの介入は、とても慎重に対応すべきだ」と警告している。「私たちは十字軍でありながら、イスラム教徒を制圧しようとする十字軍国家(フィリピン)に背を向けている。それは酷いことではあるが、慎重に対応する必要がある。豪州取引報告分析センターと豪連邦警察を通じて、武装勢力への融資、増兵、技術提供の動きを制限すべきである。現在の状況下で戦闘任務に特殊部隊を配備することは望ましくないが、軍や警察はフィリピン軍兵士に訓練を施すことはできる」 と語っている。

また、オーストラリア秘密情報局 (The Australian Secret Intelligence Service:ASIS)のニック・ワーナー局長は、「ドゥテルテ政権が発足し、今までに約3,500人の薬物犯罪者が殺害された。これとは別に、不可解な状況で何千人も殺されている。最貧困層に薬物中毒や密売人と疑われる者が多くいるため、今後も犠牲者が増えることを人権団体が懸念している。不愉快な行動をとるフィリピン政府を支持したくない。しかし、我々は状況が更に悪化することも望んでない。」と語っている。

ターンブル首相は「我々は、マラウイを東南アジアのラッカ(シリアの都市)にするつもりはない。」と語りながらも、ドゥテルテ大統領が率いるフィリピン政府への協力は政治的に困難な様相だ。近日中にマリース・ペイン(Marise Payne)豪国防相がフィリピンを訪問し、軍事支援について協議するとのことだ。

Text: 弓削島一樹 - FM201709

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