Photo: Energy Harvesting Assault Pack (EHAP) / CERDEC

米陸軍は、ハイテク先進装備の拡充に伴って、兵士が携行するバッテリー類による重量負荷を軽減する目的で、環境発電型のバックパック (energy harvesting backpack) 開発するに当たり、バージニア工科大学の研究チームに対し 34 万 4,000 ドル (＝3,400 万円 ) 超の助成金を給付している。

関連記事：
⇒近未来の兵士は自己発電　米陸軍、NSRDEC で開発中のウェアラブル発電システムを紹介
⇒歩行による運動エネルギーを活用、発電システム搭載バックパック「Lightning Packs」

陸軍の兵士においては、72 時間のミッションで、夜間暗視装置や無線通信機器、GPS などの駆動の為に、最大 16 ポンド (＝約 7.3 キログラム) 、7 種類におよぶバッテリーの携行を求められることもしばしば。

Energy Harvesting Assault Pack (EHAP)

波力発電で培ったノウハウを、バックパックを使った発電システムに落とし込むというもので、兵士が歩行する際に生み出される運動エネルギーを効率良く電力に変換する。1 ポンド (＝約 450 グラム) ほどのシステムで、5 ～ 20 ワットほどの電力を生み出すという。重装備に起因する負傷や疲労を軽減し、包括的な健康状態の改善も含めている。

Warrior Torso Test Stand

陸軍通信用電子機器研究開発センター (Army CERDEC: Communications Electronics Research, Development and Engineering Center) によると、「環境発電アサルトパック (EHAP: Energy Harvesting Assault Pack) 」なる、ダブルフレーム構造の背負い式サスペンションを使ったシステムの開発がレポートされている。

EHAP の性能と特徴は以下の通り。

Capabilities:
* Generates power on the move (more than 3W at 3 mph)
* Extends mission runtimes by trickle charging the centralized power source ( more than 72 hours)
* Reduces carried replacement battery weight (more than 2 lbs.)
Significantly reduces joint impact forces and perceived weight burden

Features:
* On-the-move power generation and battery recharging
* Enables Net Zero Energy Soldier (extended mission without energy resupply)
* Reduces logistics and Soldier physical burden by generating power at the point of use
* Reduces perceived weight burden (i.e. backpack feels lighter)

バージニア工科大学によると、プロジェクト初年度こそ同大学を通じて開発・試験がおこなわれるが、翌年に設定されたバックパックとの統合化とそのデモンストレーション試験については、CERDEC 主導で実施されるとのこと。