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米国防総省が陸軍の募集難をクリアすべく選抜試験突破者に2,700万円のボーナスを支給する案を検討中

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米国防総省が陸軍の募集難をクリアすべく選抜試験突破者に2,700万円のボーナスを支給する案を検討中
Photo from U.S. Army
アメリカ陸軍が2018年に人員獲得目標を6500人割り込むなど、各軍は人員の確保がままならない状況が続いている。先ごろ、海兵隊が特殊部隊に合格し6年の軍務継続を決めた兵士に9万ドルのボーナスを支給することを決定、陸軍も同様の施策を行ったことが報じられたが、国防総省はさらにドラスティックな改革を計画している。

元海兵隊の猛将として知られるマティス前国防長官の「遺産」である国防総省近接戦力タスクフォース(CCLTF)は、兵士の戦闘力の向上を旨としている。例えば、デジタル照準器やARゴーグルなどはCCLTFの発案によるものである。

参考:アメリカ軍の次世代小銃・分隊支援火器には「デジタル照準器」が装備される - ミリブロNews
しかし、これらのハイテク兵器による戦闘力の向上は、これを使いこなせる兵士の存在があってこそである。そこで量を重視していたこれまでの採用から一点、より少数の優秀な兵士に対しリソースを集中させ、歩兵職種をより戦闘に特化させようというのがその骨子である。

要するに全歩兵を現在のレンジャーのような軽歩兵集団に作り変えようとする試みであるが、当然体力・知力ともに高度なものが求められるため、志願者数・合格者数は少なくなる。そこで俸給を6万ドル(約650万円)、訓練を突破したボーナスとして25万ドル(約2700万円)を支給する。現在、陸軍の伍長・三等軍曹の年収は2万6千ドルから3万6千ドル(約280万円~390万円)であることを考えると、破格の報酬となる。また募集年齢を26歳以上とし、軍隊以外の社会経験がある人間を呼び込みたい構えだ。

もちろんこれはまったくの検討段階のアイディアに過ぎない。導入するにしても、現行の制度からの以降に長大な時間がかかることは間違いない。また、そもそもコストパフォーマンスの面で有効かどうかは大きな疑問符がつく。兵士のネットワーク化や新型ヘリ、次世代火器といったハードウェアの分の予算を削ってでも行うべきものかどうかは不明であるし、そもそも機動力・即応能力に長けた軽歩兵部隊の充実というコンセプト自体が「テロとの戦い」の後に来る戦争に合致するのか、という声も大きい。ここまでの報酬を提示しなければ人を集めることができない、というアメリカ世論の厭戦(えんせん)気分を表す計画として興味深いものがある。

Source: Retired General: Train, Pay Army and Marine Infantry as an Elite Force | Military.com, No Grunts Under 26, $250K Bonuses: DoD's Most Radical Ideas to Transform the Infantry | Military.com, The Corps is offering big bonus bucks for ground combat Marines in 2020

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201907
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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