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コンゴ動乱で活躍した伝説的傭兵部隊の創設者、マイク・ホアー氏が100歳で死去

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コンゴ動乱で活躍した伝説的傭兵部隊の創設者、マイク・ホアー氏が100歳で死去
Video is for Illustration purpose only.


「民間軍事会社ビジネス」が知名度を高める以前、傭兵とは「人殺し」だけではなく「冒険家」を意味する語でもあった。その代表的人物であるマイク・「マッド」・ホアー氏が、南アフリカの介護施設にて逝去した。

マイク・ホアー氏の死去を告げる息子で伝記作家のクリス・ホアー氏の投稿。

ホアー氏は1919年3月17日、当時英国の植民地であったインド・カルカッタに生まれた。士官学校に入ることができず、会計の勉強を続けていたが第2次世界大戦の高まりとともに予備役として軍に志願。インドや東南アジアで戦い終戦を迎えた。

「自分は冒険家である」と自称していた通り、戦後は冒険を求めてアフリカに移住。サファリガイドとして働きながらアフリカの地勢に関する知識を得る。この頃からCIAに接触され、傭兵として働くようになったようだ。

彼を最も有名にしたのは、1960年代のいわゆるコンゴ動乱であった。冷戦で緊張が高まりつつあったアメリカとソ連、アフリカ諸国を植民地としていたヨーロッパ諸国、現地の諸民族とあらゆる組織の権謀術数が渦巻くなか、ホアー氏はまずコンゴ共和国から分離独立を図ったカタンガ州の傭兵として、そして独立が失敗した後は、政情不安なコンゴ民主共和国の政府側の傭兵として戦った。

「カネのために戦う」傭兵である一方、強烈な反共産主義もまたホアー氏の戦う動機であった。コンゴではキューバが支援していた反政府勢力と徹底的に戦い、東ドイツの宣伝ラジオ放送は彼を「狂ったマイク」と批判した。これが彼の終生のニックネームとなった。1965年にタンガニカ湖のほとりでチェ・ゲバラの部隊と戦い、そして破った唯一の人間であるとも自称している。
コンゴ動乱中の彼についてはエピソードに事欠かない。彼の率いた傭兵部隊「第5コマンド部隊」は、略奪や強姦、殺害といった犯罪行為によって大いに恐れられた。部下には元ナチスで鉄十字を着用して戦ったジークフリート・ミュラーや、SASからの脱走兵、ジョン・ピーターズなど、第二次世界大戦後に行き場を失った兵士が多くいたようだ。部隊はアイルランド人の傭兵部隊を指す「ワイルドギース」と呼ばれ、1978年公開の同名の映画は、ホアー氏と彼の部隊に大いにインスパイアされている。

その後、一介の民間人に戻ったホアー氏だが、62歳になると、当時共産主義に接近していたセーシェル政権を転覆させるクーデターのために再び部隊の指揮をとることになる。アメリカなど資本主義陣営によって極秘の支援をうけ、アフリカでの戦闘経験がある傭兵達が集められた。

しかし、社交クラブの旅行に偽装しセーシェルの空港に降り立ったところ、荷物の底に隠していた自動小銃が税関職員によって発見されてしまったため計画は失敗する。セーシェル政府軍や警察との銃撃戦の末、ホアー氏と部隊はエア・インディア機をハイジャックして彼らを支援していた南アフリカ共和国に戻るものの、逮捕された後33ヶ月収監された。

その後はアフリカやフランスなどを拠点に野生動物の生態や遺跡の調査、傭兵部隊の年代記の執筆などをして余生を過ごした。

ホアー氏は有能な士官であり、魅力的で感傷的な紳士として知られる一方、傭兵ビジネスを拡散した問題のある人物としても悪名高い、実に対象的な評価を得た人物である。傭兵という言葉にロマンがあるとすれば、彼の冒険に満ちた人生による功績といえるだろう。

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM202002
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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この記事へのコメント
有罪の割には短い収監ですね…
ハイジャックで3年弱とは裏でどんな力が働いたのでしょうか?
行いの善し悪しは見る立場によって変わると思いますが、
これだけ波乱万丈な人生を歩んで大往生とは運が強い人だったのですね。
Posted by シュタイナー | at 2020年03月05日 05:08
>彼の率いた傭兵部隊「第5コマンド部隊」は、略奪や強姦、殺害といった犯罪行為によって大いに恐れられた。
>エア・インディア機をハイジャックして彼らを支援していた南アフリカ共和国に戻る

ただの犯罪者で草
Posted by ポニョ | at 2020年02月18日 23:16
冒険家? 
テロリストの間違いだろw
Posted by aaa | at 2020年02月18日 20:27
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