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軍事分野にもロボットブーム到来か?

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軍事分野にもロボットブーム到来か?
An experimental robotic vehicle (For Illustration Purpose Only)

 ロボット技術(通称:ロボティクス)に関する仕事や特許はここ数年で非常に人気が出ている。航空宇宙・防衛分野(以下、当分野)はどうだろうか?

 GlobalData社(世界中のあらゆる分野の調査・分析・報告を行う英国企業)の分析によれば、いくつかの要因によって当分野でのロボティクスに対する投資が増加している。

 ロボティクスは複数の産業に影響力をもち、各専門分野のロボティクス要員の雇用に直結するとともに、関連企業の事業規模拡大にも繋がる。

 図1は四半期ごとの当分野におけるロボティクス関連の求人数を示している。求人数は世界的に見れば上昇傾向にあり、2021年第2四半期では737件もの求人が掲載されている。2020年第1四半期の418件と比較すると、一年で319件の求人数増加となっている。

軍事分野にもロボットブーム到来か?
図1 四半期ごとのロボティクス求人件数 (For Illustration Purpose Only)

 また、図2は企業が取得したAIに関する特許の件数を四半期ごとにまとめたものである。直近の2年間で見れば、特許取得件数は減少傾向にあり、当分野における技術的な革新は下火となっている。2019年第2四半期では1002件であったのに対し、2020年第4四半期では224件まで落ち込んでいる。

軍事分野にもロボットブーム到来か?
図2 四半期ごとの特許取得件数 (For Illustration Purpose Only)
松井の所見:
 上記の2つの図から考えられることとして、下記の2点があると思う。

・求人数の増加は市場の需要の増加であり、これに対応するように関連教育(高等教育、専門教育など)の需要増加や、ロボティクスに関する企業および研究機関の改組が今後進むのではないだろうか。ロボティクスの求人の応募条件に合致するため必要な知識・技術は並大抵のものではないはずであり、この水準に達するためには相応の時間・労力・資金が必要である。これらを考えると、ロボティクス市場の活性化のためには投資が不可欠であり、特に軍事分野では官民が連携しなければ十分な技術基盤が育たないのではないだろうか。反対に、現在の求人数増加の背景には、各国および企業がロボティクスに対して既に相当な規模の投資を行ってきたとも考えることができる。様々な資源を長年投入した結果、現在のロボティクス市場があるのではないだろうか。

・求人数の増加と特許取得数の減少から、ロボティクス製品が研究開発の段階から製造・流通の段階に移ったと考えることができる。新しい技術の創造よりも、既存製品のシステム改善および更新・トラブル対応・既存技術を応用したシステム開発に人員が必要になった結果が上記のような傾向を生み出したと考えられる。今後はより一層ロボティクス製品が普及すると予想される。

ロボティクス技術の発展は、AIなどの最新技術の導入にもつながることから、市場だけでなく国家にとっても重要であると思う。日本もまた、このような分野に投資することで先進技術の発展を目指すべきではないだろうか。

出展:アーミー・テクノロジー「Is the aerospace, defence and security sector seeing the beginnings of a robotics investment boom?」


元自衛官・警察官・PSCのYoutubeチャンネル『ガチタマTV』

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Matsu (@mattsannENG)
原子核工学を専攻し、量子光学まで専門性を発展させる。その後、航空系防衛製品の輸入関連に従事。現在は田村装備開発(株)のミリブロ担当としてNews記事を執筆している。
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