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ロシアの2つの艦艇向け新型対空防御システム

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ロシアの2つの艦艇向け新型対空防御システム
New Russian air defense system (For Illustration Purpose Only)

 ロシア軍は艦艇に搭載して運用する2種類の新型対空防御システムを公表した。これらはミサイルによってミサイルを迎撃するシステムであり、最新鋭の対艦ミサイルや海面ギリギリの低空で接近するミサイルを撃墜することが可能である。また、これらのシステムは、非常に激しい嵐の中でも機能するとのことである。

1.  対空ミサイルシステム「リソース(Resource)」
 リソースと呼ばれる対空ミサイルシステムは、艦艇に向けて飛来するあらゆる目標を撃墜するために設計され、下図のように搭載される。

ロシアの2つの艦艇向け新型対空防御システム
The anti-aircraft missile system ‘Resource’ (For Illustration Purpose Only)

 このシステムはコンパクトな構成となっており、少ない甲板占有面積で高い防空効果を発揮することができる。

 迎撃時、発射されたミサイルは目標に接近し、自身で目標の探知・追跡を行う。また、艦艇に搭載されたレーダーはミサイルの目標選定をサポートし、複数の目標が飛来する状況であってもミサイルが正確に目標を追跡することが可能である。

 このシステムは既にロシア海軍のテストを全て通過しており、各機能の任務遂行能力が確認されている。

ロシアの2つの艦艇向け新型対空防御システム
Missile launcher (For Illustration Purpose Only)

 搭載可能なミサイルは2種類あり、射程距離はそれぞれ28 kmおよび10 kmとなっている。また、迎撃可能な高度は5 mから20 kmとなっており、海面ギリギリで飛行する目標にも対応可能である。

 同時に5つの目標を迎撃可能であり、垂直発射によって複数のミサイルを発射する。

 このシステムは、シリアでの戦闘で使用実績があり、ロシア海軍の艦艇防護に貢献することが期待されている。

2.  海上型近距離防護システム「パーンツィリME (Pantsir-ME)」
ロシアの2つの艦艇向け新型対空防御システム
Pantsir_ME (For Illustration Purpose Only)

 パーンツィリMEは、地上で悪名高かった対ミサイルシステム「パーンツィリS1」の艦艇搭載型である。砲撃システムが海戦向けに改修されており、敵のミサイルなどの飛来物を様々な環境下(大雨、強風、波浪、嵐など)で迎撃することができる。

 比較的コンパクトな設計と腐食に強い外殻は水圧や錆に対して頑丈であり、海戦専用に設計された内部システムは、追跡の難しい水面上を飛来するミサイルの軌道を難なく追跡することができる。

 砲の発射速度も改良されており、地上型が毎分4,800発であったのに対し、当システムは毎分10,000発を発射することができる。

 また、このシステムは4つの目標を同時に迎撃することができる。

 両システムは併用される予定であり、小型・大型に関係なく海上の目標を迎撃することができる。最初にリソースシステムが敵のジェット機・ミサイル・爆撃機などを迎撃し、撃ち漏らした際にはパーンツィリMEが対応することで、より強固かつ広範囲な対空防御を実現するとのことである。
松井の所見:
 本記事で紹介された中で、「海面ギリギリを飛ぶ目標(ミサイルなど)」が何度も言及されていた。防空システムが発達すると同時に、ミサイルもまた、それをかいくぐるように発達していることがよく分かる例である。今回紹介された2つのシステムは、構成が従来の艦艇用防空システムとよく似ているものの、対抗可能な目標高度がより広範囲になっている。特に低高度側に対する対応能力を強化したことは明らかであり、ロシアは強い危機感を抱いていたように思われる。アジアではどうだろうか?中国軍が海面ギリギリを飛ぶミサイルを使用してもおかしくはない。米国はこれに対する対策を既に講じている可能性が高いが、日本も例外ではない。いざとなったら最新兵器からも自衛できる防衛能力が必要である。

出典:ロシア・ビヨンド「2 NEW Russian air defense systems for ships」


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ロシアの2つの艦艇向け新型対空防御システム


Matsu (@mattsannENG)
原子核工学を専攻し、量子光学まで専門性を発展させる。その後、航空系防衛製品の輸入関連に従事。現在は田村装備開発(株)のミリブロ担当としてNews記事を執筆している。
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