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米海兵隊が防空統合システムによってより迅速な偵察を可能に

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米海兵隊が防空統合システムによってより迅速な偵察を可能に
MADIS (Marine Air Defense Integrated System) (For Illustration Purpose Only)

“素早く・静かに・致命的に”

 これは米海兵隊が戦地での偵察において敵に察知されずに潜入・離脱するための基本となる概念である。これを達成するためには、あらゆる場面で即座に立ち回る機動力が必要となる。本記事では、防空能力と機動性を兼ね備えたMADIS(海兵隊防空統合システム”Marine Air Defense Integrated System”)を紹介する。

 LAAD(低高度防空”Low Altitude Air Defense”)において、米海兵隊は低高度で急速に接近する敵航空機に対してMADISを用いた地対空防御を行っている。このシステムはレーダーと電子戦装備がJLTV(統合軽戦術車両”Joint Light Tactical Vehicle”)に搭載されており、移動目標に対する短距離の地対空照準を目的としている。

 昨今のテロでは無人航空機を使った遠隔攻撃が確認されており、特にドローンを使用した攻撃は、安価で侵入しやすく、関係否認も比較的容易である。技術の進歩に伴い、爆発物等で武装したドローンが登場したことでテロリストはリスクの無い攻撃が可能となった。飛来するドローンが安価で小さい場合はそれが戦闘行為を目的としているかどうかを判別しにくいため、一般市民に大きなリスクが伴う時がある。実際に、シリア、サウジアラビア、イラク、イエメンおよびアフガニスタンでは現地の市民やインフラ設備に紛れた攻撃が増加しており、反撃が難しくなっている。ドローン技術がより安価に提供されるようになった現代では誰もがドローンを所有しうるため、実行者の特定が困難となっている。また、片道飛行の自爆突撃のみを目的としたドローンの登場がテロ攻撃をより容易にしてしまっている。MADISは海兵隊がこのような戦力をもつ脅威からの航空攻撃に対抗し、自軍と友軍を守ることを可能にする。

 前線に展開する部隊にMADISが配備されたことにより、高度数十メートルで遠方から飛来するドローンの探知が可能となった。MADISはレーダーによって飛来する目標を識別・ロックオンするだけでなく、目標との無線通信によって飛行経路を変更し、発射地点まで送り返したり、バッテリーが切れるまで同じ地点を強制的に飛行させ続けることが可能である。

 この防空システムは車両に搭載されているため迅速な移動が可能であり、レーダーと電子戦装備は音を出すことなく静かであり、電子戦による妨害で敵を無力化する。まさに“素早く・静かに・致命的に”を体現したシステムである。
松井の所見:
 従来の軍用設備ではレーダーと電子戦装備(ジャマーなど)は別の機器として分けられていたが、本記事で取り上げたMADISはこれらが統合され、車両に搭載できるまでに小型化されている。機動性を兼ね備えたことで敵地への接近もより考えやすくなったのではないだろうか。一方で、短距離とはいえ強力なレーダーを搭載しているため、車両に搭乗する部隊員に対する影響が生じるかどうかが気になるところである。また、識別・探知から無力化にかかる時間も重要な要素であるように思う。今後はこれらの調査を必要である。


Source:
MADIS Marine Air Defense Integrated System allows US Marines to be swift - Army Recognition

Matsu (@mattsannENG)
原子核工学を専攻し、量子光学まで専門性を発展させる。その後、航空系防衛製品の輸入関連に従事。現在は田村装備開発(株)のミリブロ担当としてNews記事を執筆している。
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