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A-10 の代替となる航空機とは ? = 星条旗新聞

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米国の星条旗新聞 (Stars and Stripes) は 3 月 11 日、A-10 サンダーボルトII の退役に伴い、近接航空支援 (Close-Air Support) を担うことになるであろう航空機について解説する記事を掲載した。

現在米国防総省では、A-10 を退役させる方向で準備が進められているが、米陸軍や海兵隊など、近接航空支援を受ける側の現場から A-10 の評価は高く、現在もイスラム過激派組織 ISIL に対する作戦中の実に 11 % を、A-10 のミッションが占めているという。また、A-10 引退後の近接航空支援は F-15E や F-16、そして F-35 が担うことが予定されているが、これらの機体は、特に F-35 を筆頭に、A-10 と比べると運用コストが非常に高いことが問題視されている。

また、米空軍の Herbert “Hawk” Carlisle 大将は、もし世界情勢の変化によって要望が高まるようであれば、A-10 の直系の後継機となる新しい攻撃機「A-X」を開発することも考えていないわけではない、と語っている。
記事によれば、A-10 の後継機として近接航空支援を担うかもしれない機体として、航空機の専門家の間では A-29 スーパー・ツカノ (Super Tucano)、スコーピオン (Scorpion)、AT-6 が候補に挙げられているという。
A-10 の代替となる航空機とは ? = 星条旗新聞
U.S. Air Force photo/Capt. Justin Brockhoff
A Dominican Republic air force pilot and maintenance airman inspect an A-29 Super Tucano
A-29 スーパー・ツカノは、ブラジルのエンブラエル社が開発したターボプロップ単発の軽攻撃機で、ブラジルの他、世界各国で運用されており、米空軍もアフガニスタン空軍へ提供する目的で購入している。しかしアフガニスタンの環境に合わず、今年 12 月まで引き渡しが遅れるとされる。

スコーピオンは、テキストロン社とエアランド社が開発した小型ジェット攻撃機で、2013 年に初飛行を行ったばかりの機体である。米軍を始め、世界各国に売り込みが行われており、Carlisle 大将によれば、米空軍でも他のいくつかの競合機と共にスコーピオンの導入を検討しているという。

AT-6 はビーチクラフト社のターボプロップ単発機で、米空軍でも T-6A 練習機として導入されている他、カナダやギリシャでも運用されている。また練習機としてのみならず、サイドワインダー空対空ミサイルや誘導爆弾などを搭載することもでき、攻撃機としても運用することができ、さらにレイセオン社が開発した新型の小型対地ミサイル「グリフィン」を搭載することも、将来的には可能になるという。

Stars and Stripes 2015/03/11
Text: 鳥嶋真也 - FM201503

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