第一次世界大戦を舞台に DC コミックスのスーパーヒロイン“ワンダーウーマン”の活躍を描く映画『 Wonder Woman 』のコミコン・トレーラーが、Youtube の Warner Bros. Pictures 公式サイトで公開された。コミコン・トレーラーとは、毎年夏に米サンディエゴで開催される漫画などの大衆文化に関するコンベンション“コミコン・インターナショナル ( Comic-Con International )” において特別上映される予告編動画である。

映画『 Wonder Woman 』は、DC コミックスを代表するスーパーヒロイン“ワンダーウーマン”の初登場から75周年を祝したメモリアル映画となっており、第一次世界大戦を舞台にし彼女の出生の秘密などが描かれるようだ。トレーラー映像には、女性だけの種族：アマゾン族のプリンセスであるダイアナ（ワンダーウーマン）が、浜辺で初めて男性（兵士：スティーブ・トレバー）と出会うシーンや、戦場の最前線で盾を片手に銃弾を浴びながら突き進むシーンなどが映し出されている。原作のワンダーウーマンは、オリュンポス十二神によって命を吹き込まれた粘土から生まれた半神で、亜光速飛行、怪力、高耐久力、あらゆる武術を会得、動物との意思疎通、など地上最大級の力を備えたスーパーヒロインという設定になっている。DC コミックスでは、バットマンとスーパーマンに並ぶほどの人気を誇るが、映画・TVドラマなど映像化が非常に少なく両ヒーローから水をあけられている。

本作は、ワーナーの“女性監督に！”という強い拘りにより、パティ・ジェンキンス（ Patty Jenkins ）がメガフォンを執る。彼女は、実在した連続殺人犯アイリーン・ウォーノスの生涯を映画化した「モンスター」で監督・脚本を務め、主演のシャーリーズ・セロン（ Charlize Theron ）がアカデミー主演女優賞、ゴールデングローブ賞 主演女優賞（ドラマ部門）、ベルリン国際映画祭銀熊賞女優賞、を受賞している。「モンスター」後は劇場用長編映画から離れ、TVドラマの監督として「THE KILLING?闇に眠る美少女?」の2エピソードなど多くの作品を手掛けている。また、「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」でマーベル映画初の女性監督になる予定であったが、制作コンセプトに異議を唱えて途中降板しており、奇しくもDCコミックス映画初の女性監督に抜擢された形だ。

主演は、2年間の兵役経験のあるイスラエル出身のガル・ガドット（ Gal Gadot ）。モデルでもある彼女は、2004年度のミス・イスラエルに選ばれている。「ワイルド・スピード MAX」のジゼル役が映画デビューであり、その後も同シリーズに出演する他、トム・クルーズ主演の「ナイト & デイ」などにも出演している。また、今年公開された「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」では、ラストの大バトルで主役の２大ヒーローを喰うほどの大活躍を魅せたワンダーウーマンを演じ話題となった。ワンダーウーマン役として、本作以降も「ジャスティス・リーグ」2部作が控えている。

共演は、兵士スティーブ役にリブート版映画「スター・トレック」シリーズでジェームズ・T・カークを演じているクリス・パイン（ Chris Pine ）、アマゾン族の女王ヒッポリタ役にはオスカー作品「グラディエーター」でルッシラを演じたデンマーク出身の演技派女優コニー・ニールセン（ Connie Nielsen ）「フォレスト・ガンプ/一期一会」でジェニー役を務めて多くの映画賞にノミネートされたロビン・ライト（ Robin Wright ）、ゴヤ賞最優秀主演女優賞などの受賞歴があるスペイン出身の女優エレナ・アナヤ（ Elena Anaya ）、などが出演する。

2017年6月2日に全米公開予定。尚、日本での公開は現在未定となっている。

Text: 弓削島一樹 - FM201608